ワッフル日和
たまには街でひとりワッフルでも。
お気に入りの美容室を出たら、陽射しが痛くて。
雲と雲とを、渡り歩くようになったのは、いつからだっけ?
新しい髪型の手触りを確かめたら、いつものスーパーの買い物メモはしまって、ちょっと目線を上げて。
ここ数日、暑い中、忙しい日が続いています。
多分今日が最後。
とびきり甘々の、黒蜜ときな粉と抹茶とマロンとアイスのワッフル。
久々の街は、ちょっとだけ変わっていて、台湾のかき氷屋さんとかできてて。
でも、いつもの白いリネンの雑貨屋さんは、そこだけ凛として、ずっと変わらない。
昔の彼氏が夜中働いていたオンボロのビリヤード場が、とうとう無くなっていて。
今の35歳の日常と、思い出の時間が、ここには、層のように同時に存在していて。
今の私と、あの頃の私、の、境目が分からなくなってきて、痺れる。
なんだかものすごく遠くに来ているようなぼんやりのまま、嘘みたいに甘いワッフルを咀嚼して、思う存分、街に食べられたら。
あの頃泣きながらとった免許で、冗談みたいにハンドルを握り、想像もできなかった峠の向こうの田舎の家に、帰ります。
また、一人で、食べに来よう。