嵐と日食、そして新月。カルディのシナモンロールと、クリッパーで、ご褒美。読書記録①長尾智子『わたしとバスク 』②小室直樹『日本人のための憲法原論』『日本人のためのイスラム原論』③吉田篤弘『それからはスープのことばかり考えて暮らした 』④迫川尚子『味の形』
嵐と日食、そして新月。
ほんとうに、きれいな新月明けの、スキっとした太陽でした。
我が家のローズマリーは寒さも乾燥もものともせず、新月明けのきれいな太陽に、ぐんと背を伸ばしていました。
今日は午前の10:54に、新月を迎えました。
西洋の星占い的には、うお座の新月なんだそう。
新月や満月の前後って、雨が降ることは多いのですが、昨夜から今朝にかけて、こちらの地方では、ひどい嵐となりました。
先日の水琴窟の記事(↓)にいくつかコメントを頂きまして、
その中で、二空(id:inakatano2)さん『いなかを楽しむ生活2 Life Enjoying Country』のコメントから、水琴窟はなにも日本庭園にしつらえたものだけじゃなくて、暮らしの中で自然に雨音が作りだす音楽でもあるのだ!ということに気付き、
実は我が家も時々雨降りの時に聞こえる時が有ります。
雨樋と溜め枡の関係でも聞こえることがあるのです 風流さは無いですが
ひょっとしたらkurashitoさんも 聞いたことが有ったのかも。
(二空(id:inakatano2)さんのコメントより)
耳を澄ましたかったのですが、びゅうびゅうという風、ガラス窓に打ちつける雨音、と、今日は水琴窟どころか、なかなかワイルドな塩梅でした。
次の雨降りが実はちょっと楽しみなのです。
その前後、午前9:55~11:37、日本では部分日食が観測されました。
今回はインドネシアで皆既日食だったそうですが、今日、3月9日は、インドネシアの中でもほとんど唯一?のヒンズー教、バリ・ヒンズーを信仰するバリ島で、ヒンズーの新年、「ニュピ」と呼ばれる大事な日でもあったようです。
地元の方は家で電気をつけることができず、火も使えずニュピは少々不自由がありますが観光客であれば、そこまで不自由はありません。外の音に耳を傾けても鳥のさえずりや虫の鳴き声、風の音など自然の音しか聞こえません。いつも聞こえるバイクの音、クラクション、飛行機のエンジン音などは一切聞こえないどこか不思議な感覚を覚えます。車、バイクも走っていない為、空気が澄んで夜には、いつものバリ島よりももっと美しい星空を望むことができます。
外に出れない分、のんびりとバリ島の時間を過ごすことができます。
なんと!
徹底した「静寂の日」なんですね。
調べてみたら、バリ島には、「ウク暦」と「サカ暦」という二つの暦があって、組み合わせて使っているそうです!
興味のない方には、?でしょうが…、暦には、その地方の自然や暮らし方や歴史や知恵や、人々と神と自然との距離感や、人間全体に通じる普遍性や、いろんなものが含まれていると思うのです。
そこに思いをはせて読み解いてみると、とても興味深いのです。
新月前の嵐→皆既日食開始→新月→皆既日食終了、の空の大騒ぎのあと、正午ごろに、上の写真のような、新月に生まれ変わったようなピカピカの青空と太陽が出てきました。
なんだかリフレッシュした気分で、すがすがしい午後でした!
カルディのシナモンロールと、クリッパーで、ご褒美。
この間のお出かけのとき、買い物のついでにまた買ってきました。
カルディのシナモンロール。
冷凍で売っているので、だいたい持ち帰るときに自然解凍されますが、レンジであたためると、生地がふんわりしてシナモンが香り、アイシングが溶けて、何倍もおいしいです!
やっぱりこれに合わせるのは、クリッパーのイングリッシュブレックファストを濃いめにいれて、ミルクをたっぷり注いだミルクティ、お砂糖ナシです。
夕方のひと時、一日の満足に浸りながら、幸せな気持ちで過ごせました。
感謝です。
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読書記録。
ここ最近読んだ本と、簡単な感想です。
① 長尾智子『わたしとバスク (クウネルの本)』
なんて美しく、なんてホンモノで、なんてステキなんだろう?!?!
土地も人も風情も自然も食べ物も歴史も布も文化も。
実際に私がバスクの地で感じた感覚が随所に。
もうすぐ図書館に返してしまうけど、やっぱりいつか自分の本棚に欲しい一冊。
またいつか。
そして、私はバスクの人ではないけれど、私がバスクに感じるような魅力の温度を、この地で私なりの形で、実現したような暮らしをしたい、と、読むたびに思います。
②小室直樹『日本人のための憲法原論』『日本人のためのイスラム原論』
いきなりイカツい本ですが、学問の世界ではちょっと異端とも言われているらしい小室直樹の、その独特の語り口には、なんだかあったかさを感じてしまうのです。
昔の王朝とか、王様の名前とか、戦いの名前とか、頭の中で、高校の時の世界史のT先生の声が読み上げてくれます。なんか聞いたことある音だ!みたいな。笑。あの頃に読んでいたら、授業が全然眠くなかったのに!
憲法原論では、資本主義の源泉は宗教改革によるプロテスタントたちのエトスの変化であり、そこからデモクラシーが誕生した!いくらお金があろうがそれ以外のところでは誕生し得なかった!というのが衝撃。(棒読み暗記していた、マックスウェーバーの長い本の題名『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』が、そういうことだったとは!)
あと、刑法が縛っているのは、犯罪者ではなく検察官のほうであったり、憲法が縛っているのは、リヴァイアサンたる国家であったり、そ、そうだったの?!?!で、無知な日本国民のひとりとして、ビックリ。
イスラム原論では、イスラム教がいかに「戒律」的にしっかりシステム化された宗教であり、キリスト教は戒律的にはあいまいであり、仏教は宗教というより自然科学であり、中国の儒教は実質的に「歴史教」であり、それぞれに「救い」の形が驚くほど違う事。また、古代、イスラム文化が世界一、燦然と輝いていた事実と、十字軍を経て、キリスト教から生まれた資本主義・民主主義がベースとなった現代において、イスラム文化圏はいまだ模索を続けている事。その違いや歴史を踏まえないで議論しているから、かみ合わない。という現代を見る視点!目からウロコぼろぼろ。
個人的に一番おもしろかったのは、「トルココーヒー」と「トルコ行進曲」と「ウィーンのカフェ文化」の関係性!
③吉田篤弘『それからはスープのことばかり考えて暮らした』
カフェで偶然座った席に飾ってあった本。
やっぱりこの本で一番すばらしいのは、タイトル!!!
二番目にすばらしいのは、サンドイッチやスープの繊細でおいしそうな描写と、作るプロセスの微細なディテールの味わい。この辺は、次の『味の形』にも通じる。
ほっこりと読めるんだけど、個人的には、もっと登場人物の深さや濃さが欲しかった、というか、私は、そういうのが好みなだけかも。
④迫川尚子『味の形 迫川尚子インタビュー (ferment vol.01)』
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一時期立ち退き問題でも注目された新宿ベルク というお店の、迫川尚子さんへのインタビュー。
いやほんとに意味不明にマニアックかもしれないけど、「共感覚」というくくりで読むと、すばらしい食べ物がいかに感覚としてとらえられ、さらに作られ、そして味わわれるのか、その事だけでも感動してしまう。
空から、マリモが沈む湖の底まで、一筋の光が射していて欲しい。そんな味にしてねって、そういうリクエストをしたんです。
(迫川尚子『味の形』P.99)
さらに、そこに焦点をあてて本が作られたという事実にも。
いつか食べてみたい。
特に、 東金屋のソーセージやポークアスピックなんかを使ったサンドやドッグ系、朝ごはんとして、食べてみたい!!!
以上、自分の直感や人との出会いの中ですばらしい本に出会えること、そして世の中ですばらしい本が作られること、 手に取ることができること、ほんとうに幸せだし、感謝です!!!