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kurashito~暮らしと

暮らしが幸せになるためのことを、日々追究しています。

新宿ベルク。ブランチにエッセンベルク。ここにしか存在しえないお店。

新宿ベルク

最初に目指したお店、新宿ベルク。

今日から、3泊の東京・千葉の旅日記です。
数回に分けます。

kurashito.hateblo.jp

 

前夜羽田に到着し、乗換案内や路線図での入念な下調べとともに迎えた朝。
最初に目指したのは、新宿ベルク。

ビア&カフェ、ベルクの公式URL(↓)
http://www.berg.jp/


今回東京で、絶対行ってみたいと思っていたのが、この、新宿東口を出て数十メートルにある、小さなお店です。

駅ビルの中のあまり目立たない、駅でちょっと用事を済ますような小さな飲食店が数件連なるさりげない筋に、色鮮やかにたくさんのポップがはられたお店がありました!

 

『味の形』

なぜ、私がこの小さな、しかもオシャレなカフェとかではない店に行ってみたかったのかというと、一冊の本を読んだからでした。

味の形 迫川尚子インタビュー (ferment vol.01)

味の形 迫川尚子インタビュー (ferment vol.01)

味の形 迫川尚子インタビュー (ferment vol.01)

 

店長の奥様で副店長でいらっしゃる、迫川尚子さんのロングインタビューです。
何が面白かったのかというと、安易には言葉にできませんが、あえて言うなら、「共感覚」。

 

お店の概要について、少し長いですが、分かりやすいので、この本から引用します。

1日の総乗降客数が300万人を超える新宿駅。その東口改札から徒歩30秒の場所にある、「ビア&カフェ ベルク」。
十五坪の狭い店内はいつも混んでいて、場所柄か雑多な客層が立席カウンターで肩を触れ合わせている。店内では写真展が開催されていたり、各種の告知や、チラシやフリーペーパーなどの類も多く、なんだか情報の密度がすごい。
そんな、ちょっとしたカオスのような場所で味わうパンやコーヒーやビールが意外なほど美味しく、日替わりのワインや日本酒にもこだわりを感じる。ワインやビールにぴったりのソーセージやパテは実に高品質。その日だけのメニュー(某日は卵のピクルスと卵黄の味噌漬けだった)にも目を奪われる。もちろん定番の豆ピクルスやニシンの燻製もいい。食事時は各種セットメニューも嬉しい。五穀米の野菜カレーも好きだ。卵かけごはんまであるのには驚いた。おにぎりやサンドウィッチをテイクアウトすることも可能。パテやソーセージなどのほか、自然卵まで買って持ち帰ることができる。以上の様なものが、だいたい安い。

(味の形 迫川尚子インタビュー (ferment vol.01)P.9より)

 もうこれだけで、行ってみたい度200%のお店です。

 

迫川さんは、味覚を、辛い・甘い・しょっぱいとかいう、いわゆる「味覚」の範疇でなく、他の五感にまたがって感じ、表現する、共感覚の持ち主です。
たとえば、マッシュルームひとつをとっても、

重さと密度を持ってるマッシュルームは、食べるとつるつるなめらかで軽やかさがあり、クニャでなくパキッとして、舌のデコボコの先をすべっていく大玉ころがしみたいなイメージでした。
(中略)
鮮度の落ちたマッシュルームだと、立方体のつながりの間の膜が、こう、つぶれちゃってる。その立方体の膜の部分は流動的なんですよね。
(中略)

組織がしっかりしてて構造が明確であるほど、その組織の様子を味わうのが面白いというか。
そうです。そういう組織の様子とかを考えながら食べることが多いですね。あと水分の状態とか。

(味の形 迫川尚子インタビュー (ferment vol.01)P.23~25より)

 

という調子なので、ご本人、あまりバクバク食べる方じゃないそう。
そりゃそうだ、ひとくちにこれだけの情報量があるなら。

その迫川さんの敏感な感覚をいかして、新宿ベルクでは、妥協しないものを、低価格で出しています。

やさしい味なのに、脳のあちこちを覚醒させる、限定30食、エッセンベルク。

はるばる飛行機でやってきた私が、ブランチに、と迷わずオーダーしたのが、「エッセンベルク」。

新宿ベルクのエッセンベルク

パンとスープのセットなのですが、極上のレバーパテやポークアスピック、豆の食感賑やかなサラダやスープなど、ある意味オドロキの内容です!

このスープ。具だくさん!

新宿ベルクのエッセンベルク

この「大麦と牛肉の野菜スープ」。
かなり薄味なんだけど、食感からうまみから、本当に情報量がおおい!
本の中でも触れられています。
スープ担当のアルバイトさんとのやりとり。

「今日のは、透明な湖の底に沈んだマリモみたい」ってコメントしたんですよね。
湖の底のマリモって、なんだか静謐な感じがしますね。
ちゃんと重さがあって、丸みもあって、バランスが取れた感じのスープ。
(中略)
でも、何かが足りない。
(中略)
そこに、光が射していて欲しい。
(中略)
空から、マリモが沈む湖の底まで、一筋の光が射していて欲しい。そんな味にしてねって、そういうリクエストをしたんです。

(『味の形 迫川尚子インタビュー (ferment vol.01)P.99より) 

 その、一筋の光がさしたスープ、頂きました!

パンも、普通の食パンと黒パン、二種類があり、食べている間も、「黒パンください」って黒パンだけを 買って帰るお客さんがいたり。
美味しいパンです。

じゃがいもをふかしたのにディルが乗っているのも、シンプルでほんとにおいしかった。
あったかいじゃがいもが主役で、ねっとり、ほっこり、あぁ、じゃがいもって、おいしかったんだなぁという感じ。
それにそえられたザワークラウトのさりげなくさわやかでたっぷりなうまみも。

中央のピンクのペーストは、レバーペーストと、ポークアスピック。

新宿ベルクのエッセンベルク

これがほんとに食べてみたかったのです。
濃厚でもしつこさがなく、するりと入ってしまうレバーペースト
ふわふわとすら感じる、ポークアスピック。
これを乗せて頂くパンは、贅沢!!!

なんでも、千葉の本当においしいお店で作られている素材らしく、

tabelog.com

こちらのソーセージを使ったベルクドックも、ぜったい食べてみたいのです!

デザートは、小さなガレットみたいなもの。
そば粉の香りがして、予想外のレーズンの食感と香りがして、まさかのクリームチーズのさわやかさ。

 

ヨーロッパで気軽に食べるようなお店では、なんでも、日本人にとっては塩気が強く感じるものです。
エッセンベルクの内容は、結構日本人にはなじみが薄いものだったりして、そういった「あちらのもの」類かな、と、構えて食べるのですが、全体的な優しい味に、まず、えっ?と肩透かし。
よろけている間に、じんわりと、湖底にさす一筋の光が胃の中まであたたかく差し込んできて、次は冷たいザワークラウトの食感が、サクサク。あれ?と思っていると、じゃがいもってこんなにおいしかったのか?!と、あたたかさとともに感動し、次はポークアスピックのふんわり感に、びっくり。今度はレンズ豆の冷たいサラダが口の中でにぎやかに食感祭りを行っていて、二種類のパンの違いがあり、ガレットの意外性に最後までびっくりし通しで、セットについているのにびっくりするぐらいウマいコーヒーで、余韻を楽しむ。

まさに、共感覚的な世界にいざなわれ、睡眠不足の私の脳は、多方面から活性化される感じがしました。
しかも、全部、やさしい。

エッセンベルクの詳細は、とても詳しいレビューがありましたので、リンクを貼らせていただきます。

ameblo.jp

 

狭いのに、タバコくさいのに、また、行きたい。

私が行ったのは幸運にも11時台ということで、なんとか席に着くことができましたが、忙しい時間帯は、カウンターで立ち食いになるんだそうです。

本格的なハムなどを使っているのに安い、魅力的なモーニングもあるし、
再度レビューのブログをリンクさせていただきました。(↓)

ameblo.jp

ホットドッグ、ランチのカレー、おつまみ、ひいては卵かけご飯まで、妥協を許さない、ワンアンドオンリーなメニューが目白押しです。
店名にもあるように、ビールも本格的で、私は強くないので今回は頼みませんでしたが、休日の午後、ちょっとベルクによって、ホットドッグとザワークラウトかなんかと黒ビール、なんて使い方もできるようです。

カウンター奥で立ったまま、くるくると役目を分担するスタッフの皆さんの、それぞれに意志のあるキリっとした顔や、キレのある動きを見ているのも、気持ちがいい。
そしてお客さんも途切れることがなく、それぞれの使い方で、老若男女、狭い店の中の自分のスペースで、ほっと笑顔になっている、そんな感じのお店。

ほんと、タバコ臭い店なんです。笑。
せまいのに、いまどき、全席禁煙じゃない。
でも、なんというか、気になりまくるし、また行きたくなる、不思議なお店!

 

迫川さんの、透明な瞳!

お店を出ると、様々なフリーペーパーが。
中には、読みごたえのあるこんなものも。

新宿ベルクでもらったフリーペーパー

ホテルで読もうかなぁなんて物色しつつ、さて、帰ろうとしていたその時、
「ありがとうございます~」と言いながら、店に入ってきた女性が。
エプロンをつけているでもなく、多分、間違いない!
『味の形』の迫川さんだ!!!

旅の恥はかき捨て、すぐに声をかけました。

「あの、迫川さん、ですよね?」

振り向いた笑顔の女性の、透明で吸い込まれそうな大きな目に、はっとしました。
なるほど!
あの繊細な感覚は、この透明な瞳がすべて物語っている!!!

本を読んだこと、そしてどうしても食べたかったこと、九州から出てきていること、エッセンベルクの何がどんなふうにおいしかったこと、などなど、一生懸命伝えました。

すると、とても素直な笑顔で、

「よかった~。ありがとうございます。」

と言ってくださいました。

迫川さんのルーツは、種子島
近いルーツを持っているという事で、
「ご先祖様はお知り合いだったかもね?!」
なんて話も。

「せっかくだから、持って帰って!」
と、ベルク通信(これまた個性的な内容)と、店内でやっている迫川さんの写真展のフライヤーを、奥からもってきてくださいました。

そのどこまでも透明な瞳が忘れられないまま、「また来ます!」と宣言して、店を出ました。

 

ワンアンドオンリー

自分の感覚を一番に、絶対に妥協しない。
既成の型にはまらず、お客さんを喜ばせるために自分が提供したいもの、かたちを、提供する。
ときには、政治や思想についても、自分が納得するものについては、主張する。

そんな風だから、いくら形だけマネしてみようとしても、エッセンスだけをくみあげて普遍化して全国展開しようとしても、それは不可能なんです。

そんなお店に、行ってみたかった!

私の東京での一番目の食事は、新宿駅の小さな小さなお店のワンアンドオンリーなお店でした。

あぁ、書いていながら、また、食べに行きたい!!!

次に上京する機会があれば、また絶対、行きます!
新宿近辺に宿泊して、モーニング狙いもいいかも?!

 

 

 

はてなブックマークへの返信>

id:furusatoxさん
ブクマ、ありがとうございます!
ぜひ、行かれてみてください♪
並んだりするそうなので、混んでいない時間、のぞいてみてください♪

 

id:nyonya-cさん
ブクマ、ありがとうございます!
ニョニャさん好みのお店かと思います!
タイミングが合えばぜひ、ビールもご一緒に♪
私もまた行きたいなぁ~。

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