秋の休日。高橋雅子さんの「こねなくても」パン、模索中。自家製スープの朝食。隣の港町から、土とお芋団子とよもぎ大福。明日は十三夜。
秋の休日。
先週末、世間は3連休でしたが、夫は土日の2連休。
繁忙期で毎日遅い夫、ゆっくり休みつつ、でもすごく久しぶりだったので、お出かけもしました。
まずは、我が家から北西方向に30分ほどのところにある、流鏑馬で有名な神社へ。
いつもそちら方面への道すがら、気になっていたところです。
途中の、見渡す限りの平野が田んぼ!な景色は、着々と稲刈りが進んでいました。
私たちの住む地域は、夏のうちに稲刈りが終わってしまう早期米ではなく、じっくりと育てる普通期米が多いので、今がまさに稲刈り最盛期。
早期米は、台風が多くなる前に収穫するのでロスが少ないそうですが、やはり期間的に無理をすることもあり、特殊な品種だったり比較的農薬など多く必要だったり、また、収穫して貯蔵して何カ月か経つと、味が落ちるのが早いんだそう。
九州南部では、地形の関係で台風被害が大きいところや、早期米のブランドで売り出している大きな生産地ほど、より多く早期米を作る傾向があるようです。
その点、私たちの住む地域で作られるお米は、ブランド米ではありませんが、水も豊富な盆地で、適度な規模の米どころでもあります。
梅雨の頃田んぼに水を入れて、じっくりと自然の摂理に従って育ち、夏を越え、いくつかの台風も越え、秋のこの時期にやっと刈り取ります。
しかもすぐ乾燥器にかけるのではなく、刈り取ったあとの田んぼにずらっと稲を干し、かけ干しで稲の茎の部分から実の部分にたくさん栄養が集まるようにしているような昔ながらのお米作りをしている農家さんが多いようです。
商品である主力ブランド米、というよりも、先祖代々の田んぼで、家族や子どもたちに送るためにせっせとお米を作っているおじいちゃんおばあちゃんたちが多いので、利益よりも少しでも安心でおいしいものを、出来る範囲で、というスタイルなのかもしれません。
日頃、お店を通さずこの地域のお米農家さんから直接現金でお米を買い、軽トラでお米を籾のまま、まるまる一俵、コンバイン袋に入れて配達してもらっているのですが、
去年の新米の記事です。(↓)
どうりでいつもおいしいはずです!
なんとも幸せな事!
夫と一緒にずっと気になっていたその神社にお参りし、語り部のおじいさんに言われるがまま、ちょっと離れた参道入口の楠の林へ行ってみました。
なんとそこには、二十本ほどの巨大な楠がごろごろと!!!
とても写真に収まりきれない、そこだけ屋久島の森みたいな、巨大な楠の群生。
普通、神社にはご神木として巨大なクスが一本だけ生えているものですが、ここは規格外。
ご神木とは別に、なぜか大きくうねり横に広がるように成長した、樹齢1000年以上の楠の群生が、圧倒的な存在感で、そこに在りました。
えーこんなにすごい場所が、こんな近くにさり気なく、あったなんて!!!
そこに足を踏み入れると、来ました!!!
神社にお参りすると必ず遭遇する、さ~~~~っと全身を吹きぬける風。
まるで、神主さんの持つ紙のお祓いの道具に、頭の上をさ~~~っと祓われるみたいに、その何百倍も大きな風が私たちの全身を吹き抜け、祓い、かけぬけていきます。
あぁ、何とも爽快!!!
今日も遭遇。ありがたや!
千年以上沈黙するその楠たちの間で、全身にその風を浴び、すっきりリフレッシュした夫と私でした。
その後、通りがかりの新しくできた讃岐うどんのお店に入ってみました。
チェーン店ではなく、個人のお店。
私はざるうどん。
つるっとぴかぴかの、べっぴんさんな讃岐うどん。
もちろん噛むほどに味があるコシ。
生姜、ゴマ、ネギの薬味とつゆ。
おいしくないわけがなく!
もちろん、リーズナブル!
さっぱりとうどんでお腹を膨らませた後、その少し北の方、10年前、私たちが結婚パーティーをした、山奥のカフェへ。
いつもながら、木々に揺れる葉や小さな花たち、賢い犬たちや、一日中食欲旺盛のヤギたちに出迎えられ。
蒸し暑かったこの日は、小屋の中のカウンター席で、ゆっくり。
つい最近の夏までは、アイスカフェラテだとかアイスにエスプレッソをかけたカフェモンブランだとか頼んでいたのに、この日私がどうしても食べたくなったのは、日本茶セット。
蒸し暑いとはいえ、どこかぽっかり抜けたような風が、気まぐれに、開け放った窓から通り過ぎていきます。
コポコポお湯の沸く音がする後ろのキッチン。
そういえば、最近いつ来てもお客さんが多くて、おしゃべり好きのオーナーとゆっくり話す時間がなかったのです。
久々のゆっくりおしゃべりタイム。
作る間もとめどなく語りながらオーナーが茹でてくれたツルツルの白玉団子には、やさしい黒蜜ときび砂糖がかけられていて。
湯気の上がる緑茶をすすりながら、お団子を食べ終わってもまだまだ続く、女同士の長い長いおしゃべりの間に、カウンターの隣では、夫が気持ちよさそうにうたたね。
寒い時期になると、店の奥のダルマ型の薪ストーブに火が入って、その遠赤外線で誰もが夢見心地になるんだったなぁ。
お客さんが多い休日なんかは、外でも火を焚いたりして。
火を囲んでいると、最初はわいわいしていても、だんだんみんな静かになる。
気まぐれに枝をさしこみながら、薪がはぜる音をじっと聴いていると、何も話さなくても、静かに心が満たされていくんだった。
冬の記憶の切れ端が久しぶりにちらっと見えたけど、まだそこは、どちらかというと夏の気配の方が濃厚な、秋の午後。
帰り際にふと振り向くと、次の女性二人連れのお客さんも、私と同じ日本茶セットを頼んでいました。
ホウショウの木の葉を手でもみながら、そのさわやかな香りでリフレッシュ。
短くも気持ちのいい季節。
田舎に住んでいながら、もっと田舎へ足を延ばした、とても穏やかな休日でした。
高橋雅子さんの「こねなくても」パン、模索中。自家製スープの朝食。
先々週に引き続き、高橋雅子さんの「こねなくてもパン」にトライしてみました。
前回の「こねなくても」パン。(↓)
木曜の夜に仕込み、金曜の午前に焼成。
今回は、スチームは期待できないけど、オーブンの「フランスパンコース」ではなく、表示通りに温度を上げて、普通のオーブン機能で焼いてみました。
結果、もちろんおいしいのですが、気泡や質感などは、前回、温度は期待できないけどオーブンがスチームを出して焼いてくれる「フランスパンモード」にして焼いた時のほうが、よかった気がします。
もしかしたら発酵の度合いが違ったのかもしれないし、生地をいじりすぎたのかもしれませんが、次回は、長めに発酵させ、またフランスパンモードで焼いてみたいと思います。
そろそろ、プチパンと食パンに加えて、リュスティックに挑戦したいと思いつつ。
少しのイーストでゆっくり発酵パン?こんな方法があったんだ。おいしさ再発見!
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パンのお供は、自家製ミネストローネ。
ここ何年か、毎週のように、何かしらルクルーゼでスープを作っていたら、 スープ作りが本当に苦にならなくなりました。
冷蔵庫の中身を見つつ、季節を感じつつ、基本の、
「ベーコン、たまねぎ、にんにく、オリーブオイル、ローリエ」
ぐらいがあれば、
- 他に何もなくても、ベーコンとタマネギのシンプルスープ、
- くず野菜がたくさんあれば、ミネストローネ、
- キャベツやカブなど単品野菜ならベーコンとあわせて豆乳で仕上げて、クリームスープ、
- カボチャやじゃがいもやゴボウや豆や冬瓜などがあれば、ポタージュ、
- 冬になるとキャベツの外葉をとっておいて、白花豆を煮て、ガルビュール風、
- ときにはアンチョビやバターやスパイスをきかせたり、
などなど。
洋風のスープだからって特別なものを買わなくても、冷蔵庫にあるもので、コンソメやブイヨンなど一切使わず、ルクルーゼの弱火でしっかり野菜から旨みたっぷりのスープを引き出して、おいしいスープを作ることができるようになりました。
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台風や長い酷暑が続いた今年の夏のせいで、野菜が高騰しています。
でも、余りものや冷蔵庫にあるものだけでおいしいスープが作れて、パンも気に行ったものが自分で焼ければ、あとは卵ぐらい買っておいたら、とても幸せな休日の朝食になります!
ということで、
<次回予告>
次回は、お野菜の高値対策として、我が家でやっている楽しい節約について、書いてみようと思います。
- くず野菜を使ったミネストローネはもちろん、
- もやし・豆苗などお値段の変わらない野菜を取り入れたり、
- 庭のちょこっと育てている葉物やハーブを活用したり、
- 乾物をおいしく利用したり、
- 新しく秋に植えるお野菜のことなど
楽しい節約作戦の記事にしようと思っています♪
隣の港町から、土とお芋団子とよもぎ大福。明日は十三夜。
今日は、隣の港町まで車で30分、出かけてきました。
というのも、お魚目当てではなく、なんと、土目当て。
この培養土、とっても品質がいいのです!!!
特別お値段が高いわけでもなく、ただ、EM菌入りの有機の培養土なのですが、本当に品質がいいのです。
お店の方も、
「ワンシーズンで捨ててしまう&有機でなくてもいいのなら、あっちの土。
でも次のシーズンにリサイクルして使いたい&有機希望なら、断然こっちの土がオススメです!根の張りが違います!」
とおっしゃっていた、この土。
なかなかどこにも売っていないので、引っ越してきてからずっと、この隣の港町まで買いに来ています。
今回は、秋の植え替えのために、今ある鉢の土をリサイクルするので、ちょっと新しい土も混ぜ込むために、ひと袋だけ購入しました。
久しぶりの港町は、町全体が南向きの斜面から海、という地形なので、日射しに力があり、もう少し夏が色濃く残っている感じがしました。
せっかくなのでお魚も、というわけではなく、今度は、お団子を。
今年の春、お団子屋さんへ行った記事です。(↓)
海に近い町の片隅に、ものすごく古くて、おじいさんがひとりでやっていて、ショーケースに餅とり粉を直接まいて、その上に無造作に並べてある手作りの大福が、本当においしい!という、伝説のお餅屋さんがあります。
土を売っているお店から5分ほどのついでだったので、今日も、行ってきました!
びっくりするほどよく伸びる、あの伝説のよもぎの大福の隣に、見なれぬ黄色いお菓子が。
これ、なんですか?と指さして聞いてみると、お芋団子でした!
こしあんをくるんとロールしてある、素朴ながらもちょっとオシャレなお芋団子♪
秋の色ですね!!!
15センチほどの長さのお芋団子を1本、それとよもぎ大福を2つで、270円。
「あんた、初めてね?」
とおじいさん、吸いさしのタバコを脇に置いてにっこりしてから、昔ながらの紙に包んでくれました。
早速、帰ってからひとりでお茶しました。
いつもながら、よもぎ大福の香りのいいこと、そして、よく伸び~~~る。
やわらかくてほんとにおいしい。
そして、初めてのお芋団子。
お芋自体の甘さを活かした、とてもやさしい味のお団子に、こしあんがベストマッチ!
おいしい!!!
おじいさん、すごすぎる…。
やっぱり伝説のお餅屋さんです!
もちろん夫の分も半分残してあるので、今日も遅いかもしれませんが、番茶と一緒に、デザートに出してあげようと思います。
また季節ごとに、そして、おじいさんがお元気なうちに、行ってみたいと思います。
車に花切り鋏を積んでいって、帰りに、道端のススキを少しもらってきました。
明日は、十三夜です。
栗とススキとお団子をお供えします。
2016年の十五夜、十三夜などについては、こちらから(↓)
先月の十五夜より、ほんとのススキが豊かな穂を風になびかせているのを見て、季節の移ろいを感じます。