kurashito~暮らしと

暮らしが幸せになるためのことを、日々追究しています。

2017年、十五夜。亥の子餅、伝説の大福を買いに、港町へ。パワーのある食材に囲まれて。自家製チキン南蛮、ケイパー入りのタルタルソース。

十五夜

2017年、十五夜

昨夜は、十五夜でした。
朝、ゴミを出すときに、近所の空き地のススキをとってこようと、ポッケに花ばさみを忍ばせていきました。
…が、どこを見渡しても、ススキがない!!!
背丈の伸びた草ばかり。
でも、かろうじて、頭だけのぞかせている穂先が目につきました。
それで、分かりました。
一面の背丈の伸びた草は、まだ穂を出していないススキでした!!!

細長い葉の根元をちょっと裂くと、その間から、まだ若いススキの穂がのぞきます。
無事に2本ほど頂戴して、家に帰って活けました。

 

十五夜は、旧暦の8月15日。
別名「芋名月」とも呼ばれていて、里芋やサツマイモなど、秋のイモ類の収穫に感謝する意味もあるそうで、

ススキ、お団子(本当は15個や12個)、イモ類

をお供えするんだそうです。

中医学からみても、秋は金(こん)の季節。「燥」という乾燥する季節と言われていて、この時期にケアすべきなのは、「肺」「皮膚」「大腸」。
それらの共通項は、「外界との接点」。つまり、肺も皮膚も大腸も、言ってみれば体が外の世界と接する場所で、免疫と大きく関係してきます。
乾燥によってそれらのバリアが崩されたり、喉をいためたり、肌が乾燥して傷んだり、便秘になったりするので、秋は、燥邪への対策が必要です。

生姜やネギなどの香りのある薬味類の辛味も燥邪に有効ですが、体に潤いを与えるものとして、肺によい例えばレンコン、肌によい白キクラゲ、肺や腸を潤す(適量の)落花生などに加えて、脾(つまり胃腸)を整え元気をつけてくれるというサツマイモも、この季節にとてもよいと言われています。
その意味でも、お供えしたお芋をこの時期にありがたく頂くのは、理にかなっているのかもしれません。

水で戻してサラダにできる白キクラゲは、カンタンで便利で、肌を潤してくれます(↓)。

白きくらげ 20g

白きくらげ 20g

 

 

 

ちなみに、約ひと月後の2017年11月1日は十三夜で、こちらは「栗名月」「豆名月」と呼ばれていて、イモのかわりに、栗や豆、枝豆などをお供えするんだそうです。

中医学で、栗はさらに血を増やしたり、冬に弱る腎を強化してくれると言われているそうです。
11月に入り、少し冬らしくなってきた頃は、栗がいいのかもしれませんね。
 

 

お盆のころ、夫の90代のおばあちゃんから、特製のおいしいあんこと、寒ざらしのお団子の粉を頂いていました。

 

冷凍してとっておいたもので、十五夜のお団子を作りました。

十五夜

栗のようなほっくりとした甘さのおばあちゃんのあんこが乗った、弾力ある瑞々しいお団子。
仕事が忙しくて遅く帰ってきた夫も、帰り道、車から月が見えたそうで、食後に番茶と一緒においしく頂きました。

実は、本当の満月は2017年10月6日(金)です。
まだしばらく、お月さまのきれいな夜が続きそうです。 

 

 

亥の子餅、伝説の大福を買いに、港町へ。

黄金の絨毯

その前日は、亥の子餅、といって、無病息災を願って、餅を食べる日でした。

古代中国では、「亥の月、亥の日、亥の刻に餅を食べれば無病息災である」といわれ、この餅を「亥の子餅」といいます。
「亥の子餅」は、新米にその年に収穫した大豆・小豆・ささげ・ごま・栗・柿・糖(あめ)の7種の粉を混ぜて作った餅で、亥の子、つまりイノシシの子どもであるうり坊の色や形を真似て作られたそうです。

亥の子|季節の行事|暮らし歳時記)より

 

ほんとうは和菓子屋さんには「亥の子餅」というのが売っているそうですが、近くで手に入らない時は餅や大福でも、ということで、またまた、行ってきました。
隣の港町で、おじいさんがひとりでやっている、伝説の大福屋さんへ。

前回、春に行った時の記事は、こちらから(↓) 

 

話はそれますが、最近買ったスマホのカメラ機能が、思いのほか充実していることに、最近気付きました。
おまかせオートみたいなモードがデフォルトですが、よくよくいじってみると、フルマニュアルのモードがあって、露出、ISO、ホワイトバランス、フォーカス、シャッタースピードの調整が手動のタッチパネルで好きな値に設定できることが分かりました!
絞りの調整はないので、一眼レフに置き換えると、シャッタースピード優先AEまでできる、という感じです。
画素も21M。F値は1.9!
つまり、細部まで、明るいレンズで、よりサクサクと、また、ぐっと接近して撮影可能、ということです。


数字だけ見れば長年使っていた我が家の壊れかけコンデジのスペックをとうに超えていて、仮想の一眼レフとして、(昔フィルムの一眼レフを使っていたので)勘を取り戻すトレーニングになりそうです。

全部スマホカメラのおまかせでしか撮れない、と思っていたときよりも、モチベーションがアップ!!!
隣の港町まで、スマホでたくさんの写真を撮りながら、向かいました。
(この記事の中の写真15枚はすべて、スマホで撮影した後、web用に画質を落としました)

 

上の写真は、一年で今がいちばんきれいな、田舎の田園風景。
うっとりするような、黄金の絨毯です!
晴れた日には、続々と稲刈りが始まっています。

秋の日。稲刈り。

重そうに垂れさがる稲と、さわやかな空。
刈り取った田んぼに、おじいさんが黙々と杭を打ち込んで、おばあさんが黙々と稲を束ねてかけていく、かけ干しの風景。
そこに赤や黄色や白の彼岸花が色を添えています。

 

あちこち撮影しながら峠を越えて、隣の港町までたどり着きました。
いつも春と秋、ガーデニングをする前に、この町のとある園芸店でしか売っていない、EM菌入りの有機培養土を買い求めにくるのですが、今回も無事ゲット。

さっきまで盆地の田園風景でしたが、港町に来ると、南向きの斜面はカラっとしていて、早期米の収穫がとっくに終わっている様子。

そして、海。
昼下がりの、静かな漁港でした。

港町の大福屋さん

閑散とした港町の三角路地のところに、よかった!開いてました!!!伝説の大福屋さん。
もう70代ぐらいと思われるおじいさんが、ひとりでやっている、小さなお店です。
ですが、驚くなかれ、知る人ぞ知るこのお店の大福は、何とも素朴でおいしいのです!!!

よもぎの季節は特に、よもぎ大福の香りのいいこと!
餅はいつでもつきたてで、モッツァレラチーズのように伸び、幸せな気持ちになります。
餡は甘すぎず、でも、どこか懐かしい味。

1個60円。
ショーケースに直接、餅とり粉をふって、2個ずつ大福が並べてあります。

ショーケースの向こうには、昔ながらの蒸し器や、おじいさん愛用の菓子づくりの道具が並んでいて、店の外には、よく洗ったザルなどが干してあったり。

日によっては午前に売り切れていることもあるのですが、その日は暇だったとみえ、まだ大福はたくさんあり、左手の3畳ほどの小さな部屋に腰だけかけて、じいさんはテレビに夢中でした。笑。

「はい、240円!」
白とよもぎ、2種類の大福を2つずつ、夫と分けるために4つ買いました。
昔ながらの油紙でくるくるっと包み、輪ゴムでとめて、小さな袋へ。
また来年の春、ガーデニングの培養土を買いにいく時、おじいさんの元気な姿を見に、大福を買いに行こうと思います。


亥の子餅は、亥の刻(21:00~23:00)に食べるものなんだそうです。
番茶をいれて、その夜、夫と一緒に頂きました。
やっぱり、しみじみ、おいしい。
夫も「なんか元気が出る!」と、絶賛でした。

季節の行事は、義務でも苦労でもなく、毎日を楽しむための、イベントカレンダーだと思っています。


 

パワーのある食材に囲まれて。 

鶏刺し、塩茹で落花生、ピーナッツ豆腐

先週土曜日の食卓です。

夫が仕事だったので、日曜の前の週末の夜、せめて一緒にゆっくり食べたいなと思い、また、近所の鶏刺しを買ってきました。
この地域には鶏を飼っている農家がたくさんあり、旨みの濃い地鶏を一家で育てながら鶏刺しや唐揚げなどを売る、「かしわ屋さん」がたくさんあります。
みんなそれぞれごひいきのお店があるようですが、我が家では車で5分ほどで、1人前180円!で新鮮な鶏刺しを買えるお店にいつも行っています。
もう少し寒くなったら、無料で冷凍した鶏ガラをもらえたりもしますが、旨みの濃い地鶏の細切れがひと袋100円で売っていて、それとゴボウでよく炊き込みご飯を作ります。

鶏刺しには、たっぷりのさらしタマネギと青ジソを乗せて。
にんにくと生姜をすりおろして、甘い刺身醤油に溶かして、頂きます。
ミニトマトに庭のモロヘイヤも刻んで添えて。

それと、お向かいさんから頂いたカボチャを高野豆腐と一緒に煮たもの。

そして、庭でカメムシさんたちと共有している(笑)、この地域の道の駅で買った大豆から芽を出して育てた枝豆を、塩茹でにしたもの。

また、夫の父より、落花生の塩茹でと、ピーナッツ豆腐。
食べたことがないと、炒るんじゃなくて茹でた落花生?!と思うかもしれませんが、夫の父は塩茹で名人。
今回も、落花生自体の香り、ほんのり甘さ、食感をひきたてるような絶妙な塩加減で、たくさん持ってくてくれました。
傷みやすいので、冷凍できるよう、ビニル袋に小分けして。

また、その落花生を使ったピーナッツ豆腐。これも香りがよくて絶品です。

 

ずっと帰りが遅い日が続いていたので、珍しくちょっと早めに帰ってこれた夫と一緒に、乾杯しながら頂きました。
お酒と合うものが多かったので、気兼ねなくゆっくりと家飲み、になりました。

この日の食卓の、なんてパワフルなこと!
地に根ざして、新鮮で、旬。
こんなものを家で普通に口にできるなんて、本当に幸せな事だな、と、心から満たされる宵でした。

 

 

自家製チキン南蛮、ケイパー入りのタルタルソース。

自家製チキン南蛮、ケイパー入りのタルタルソース。

鶏ムネ肉が安かったので、また、チキン南蛮を作りました。

チキン南蛮といえば、宮崎県の青島で食べた、ロギ茶屋のチキン南蛮が忘れられず、

それ以来、何度も作り続け、試行錯誤しています。

チキン南蛮の味付けは、3つの組合せです。

鶏肉の下味 × 揚げてくぐらせる甘酢  × 乗せるタルタルソース

どれを甘くし、どれを薄くし、どれのコクを出し、どれの爽やかさを活かすか、無限に組合せを考えると、なかなか複雑で、それだけにハマると何度でもトライしたくなってしまう料理です。

 

今回は新たに、タルタルソースにケイパーを加えてみました。 

SO ケーパー 100g

SO ケーパー 100g

 

ケイパーを刻んで混ぜ込み、独特の風味で深みを出そうと思って。

くぐらせる甘酢を少しタルタルに加えると調和しやすくなる気がするのですが、爽やかにするために、さらに白ワインビネガーも加えてみたり。

カルボネール 白ワインビネガー 250ml×2本

カルボネール 白ワインビネガー 250ml×2本

 

あまり液ものを入れると、タルタルが緩くなってしまうのです。
庭のイタリアンパセリも植えかえたものがだんだん元気になってきたので、刻んで。

 

黒酒がムネ肉をまるでモモ?!というほどやわらかくジューシーにしてくれて、きび砂糖を使ったコクのある甘酢、爽やかなタルタルソースで、おいしく頂きました!

自家製チキン南蛮、ケイパー入りのタルタルソース。

お肉もお魚も、なんでも臭みをとり、やわらかくしてしまう、黒酒です(↓)。 

灰持酒 黒酒 雑酒1 200ml

灰持酒 黒酒 雑酒1 200ml

 
カップ印 きび砂糖 750g

カップ印 きび砂糖 750g

 

 

おいしいんだけど…、それでもやっぱり、青島のロギ茶屋のチキン南蛮とは、何か違う…。
やっぱり探究は続いて、きっとまた、作ってしまうのでしょう。

 

 

今日は、秋の風がやさしい一日でした。

秋の陽。

 

こんな日は、いろいろと干したり、いつもよりちょっとだけ踏みこんだ掃除をしたりして、家の中が心地よくなるので、幸せです。