kurashito~暮らしと

暮らしが幸せになるためのことを、日々追究しています。

重陽、なかしましほさんの月餅。高橋雅子さんの上級のバゲット。私と、パンの話。映画「しあわせのパン」。

重陽、なかしましほさんの月餅。

重陽、なかしましほさんの月餅。

9月9日は、新暦の「重陽」。
陰陽の陽の中でも最も大きな数字、9が重なるこの日を重陽と呼び、菊を飾ったり、月餅を食べたりする習わしがあります。

我が家では毎年、なかしましほさんのレシピで月餅を作っています。

まいにち食べたい“ごはんのような”クッキーとビスケットの本

まいにち食べたい“ごはんのような”クッキーとビスケットの本

 

 

なかしましほさんの月餅は、普通の小豆のあんこにちょっと手を加えて作った中華あんを、溶き卵を加えたやわらかめのクッキー生地で包み、オーブンで焼きます。

お盆のころ、夫の90代のおばあちゃんから頂いたあんこを、少し冷凍しておきました。
それに、黒練りゴマ、クコの実、なつめのかわりのレーズン、くるみ、松の実なんかをあえると、独特のおいしい中華風のあんこになります。
生地で包んで、最後に残りの溶き卵をハケで塗り、オーブンへ。

休日の午後、夫に珈琲をいれてもらって、一緒に食べました。

重陽、なかしましほさんの月餅。

 

あんことコーヒーって、意外といいコンビ。
夏に「サマーデイズ」という名前で売っていたコーヒー豆なのですが、なぜかこれに限っては、いつも私が淹れるより、夫が淹れたほうが、すっきりとおいしいのです。
多分、夫のいれ方のクセみたいのが、この豆と相性がいいのでしょう。
フルーツのような豊かな香りと、コクのある黒砂糖のような後味がのこる、おいしいコーヒー豆でした。
また秋冬は秋冬らしい風味のコーヒーを飲んでみたいと思います。

実はもう一度、旧暦の重陽があります。
せっかくなのでその時、もう一度月餅を作れたらいいなと思っています。

 

 

高橋雅子さんの上級のバゲット。私と、パンの話。
映画「しあわせのパン」。

高橋雅子さんの上級のバゲット。

先週末焼いた、バゲットです。
ひと晩かけてよく発酵した生地が、ボウルのまま振るとふるふるとふるえて、まるでわらび餅みたいでした。
そこから二次発酵、クープ入れ、オーブンのマックスの300℃、しかも天板は上段で、一気に焼成
今回初めて、気泡がたくさんの、バゲットらしい内層になりました!!!
じゃがいものポタージュ、目玉焼きと一緒に、休日の朝食に頂きました。

でも、見た目はこんな感じで、なかなか不格好…。笑。

高橋雅子さんの上級のバゲット。

…ねじった綱のようです。
まだまだ修行が必要ですね。

  

私が、高橋雅子さんのこちらの本でバゲットを作り始めてから、7か月ほどが経ちました。

ゆっくり発酵 バゲット&リュスティック (少しのイーストでつくるパン3)

ゆっくり発酵 バゲット&リュスティック (少しのイーストでつくるパン3)

 

 

こちらの本にある、比較的扱いやすい生地で作る「基本のバゲット」を初めて作ったのが、今年の冬、2月。
こねすぎて目が詰まって、低温で焼き過ぎてガリっとして、今見るとびっくりしてしまうような、はじめてのバゲットです。笑。

それから毎週のように焼いていました。
特に、ひどい底割れがなかなか克服できず。
底割れは、見た目だけでなく、水分が逃げてしまうので、パンの出来上がりにも影響します。

梅雨のころ、銅板を使うのに加え、レシピよりも高温の、我が家のオーブンの最大温度300℃で焼成するようになり、さらに天板を上段にセットしたところ、やっと底割れしなくなり。

 

やっと、少し生地の水分量が多くて扱いの難しい「上級のバゲット」にチャレンジし始めたのが、夏に入ってから、7月。

 試行錯誤しながら夏を越え、9月に入り、やっと、気泡がたくさんある、バゲットらしいバゲットが焼けました!

 

そこで、ふと、振り返ってみました。
そういえば私、いつから自分でパンを焼きたい、と思うようになったのか。

 

 

【①14年前、ヨーロッパの普段着のパンに出会う】

小さい頃、身の回りでパンを焼く人はいませんでした。
近所にもパン屋さんはあったけど、クリームパンとかメロンパンとかだけ置いているような、時代的にもまだまだ懐かしいパン屋さんでした。
小学校の授業で一度、クラス全員でパンを作ったことがあった気がしますが、まさか毎週自分の家でパンを捏ねて焼くことになるなんて、その頃は夢にも思っていませんでした。

スーパーの食パンや袋入りの菓子パン、それか給食のパンしか食べたことがなかったのですが、それはそれでおいしいなぁと思っていました。

 

そのまま大人になって就職し、今から14年ほど前の24歳の頃、偶然就いていた仕事が非常勤で、夏に長い休みを取らなくてはいけませんでした。
それをチャンス!と思い、生まれて初めての海外旅行へ。
しかも、一人旅。
ツアーでなく完全フリーの、バックパッカーノリな、自力の14日間です。
チケットも自分で手配したので、直行便なんて高くて買えず、安いチケットで3カ国の空港を乗りつないで、やっと最初に地上に降り立ったのが、オランダのスキポール空港
そこから主に鉄道を使って、アムステルダム、パリ、リヨン、アルル、マルセイユ、スイスの小さな町、ウィーンなどを回って、時にはドミトリーの二段ベッドや、二等寝台車に泊まったりしながら、陸続きのヨーロッパの国境を越える2週間。
なんとか無事に帰ってきました。

そこで、生まれて初めて、ヨーロッパで日常的に食べられているパンを口にしたのです。


ブーゲンビリアの花が咲く、のんびりとしたビーチの近くのマルセイユユースホステルの食堂で、朝食に食べた、半切りのバゲット。
「バゲットは、横にちぎるのではなく、縦に裂くんだよ」
と、相席のフランス人の男性が親切に教えてくれたり。

南仏へ発つ早朝の慌しいパリの駅の売店で何気なく買った、モッツァレラとトマトをサンドしてあたためただけの、一番安くてシンプルなパニーニのおいしさに、思わず声が出そうなほど驚いたり。

スイスで、塩味の効いた、粉の旨みたっぷりの固いプレッツェルを、街歩きしながらかじったり。

中でも、帰りのオランダ、スキポール空港で、手持ちのユーロを使い切ろう、と、5ユーロ(700円ほど)を握りしめて、ミッフィーのポストカードを買い、残った3ユーロ(400円ほど)で最後に買ったのが、空港のカフェのサンドイッチ。

当時、ガラケーで実際に撮った写真が、残っていました!

バゲットサンド、スキポールにて

写真では分かりにくいのですが、これ、結構大きいのです。
バゲットの半分切りの中にはさんであるのは、私の足のサイズほどある、ドデカイカマンベールチーズ。
それと、トマト、レタス、以上。

空港のカフェのパンなので、今食べると感動するような味ではないのかもしれませんが、初めてヨーロッパのパンに触れた私は、そのシンプルなおいしさに感動してしまいました。
何セントか余ったので1個だけ添えた青リンゴも、いい思い出です。

 

その14日間の冒険で、パンって、おいしいんだ!!!ということを知った私。
生まれた街のいつもの生活に戻ると、
「世界には、もっとおいしいパンが、普通にあるんだよ!」
と、大声でふれて回りたい気持ちでした。

バゲットやリュスティックなど、ヨーロッパで普通に食べられていてびっくりするほどおいしかったそれらのパンはハードパンと呼ばれるものが多い、と知ったのも、後から。
それから、同じパン屋さんでも、ちょっとハード系に力を入れているパン屋さんを探してみたり、食べてみるようになりました。

 

【②山奥のカフェで、ホームベーカリーに出会う】

そして、夫と出会う2,3年前、山奥のステキなカフェに通い始めました。
街に暮らして働きながら、週末はそれを忘れるように、自然の中へ。
まだ車を持っていなかったので、友達に乗せていってもらったり、そのカフェで知り合った人に送ってもらったりしながら。
山小屋、薪ストーブ、焚火、ハンモック、手作りの木のテーブル、木漏れ日、オープンカフェ、大きな木を揺らす風、遠くの山々、大きな犬が遊ぶ草原。
田舎暮らしと縁のなかった私に、また新しい世界を見せてくれた、大きな出会いでした。

結局、後に出会った夫と、そのカフェで、夜通し結婚パーティーをさせてもらうことになりました。

今でも毎年、結婚記念日には必ず訪れています。(↓) 

そのカフェの名物は、ホームベーカリーで焼いたパンの、素朴なトーストセット。
バターだけでなくシナモンをかけたシナモントーストも、また絶品。
青空の下、見晴らしの良い、緑の風が吹き抜ける席で、店主いれたてのコーヒーと頂くトーストセットは、限りなくシンプルだけど、贅沢!
特に、カフェのイベントで山小屋に泊まらせてもらった朝、茹で卵と一緒に出てきた特別なトーストセットなんかは、すごく素朴だったのになんだか感動的で、今でも心に残っています。

山小屋のカフェの奥から漂うパンの焼ける香りって、ほんとに、幸せだな、と思いました。
すると、「ホームベーカリーを使えば、あなたも今日から家でパン、焼けるよ!」と、店主さんが勧めてくれたのです。

それから1年後ぐらいに夫と出会い、一緒にアパートに住み始め、それから結婚した頃、初めてホームベーカリーを買いました。
Amazonの購入履歴から、この商品を10年前の2007年5月に購入していたことが分かりました。
地味だけど、おいしいパンを焼ける、エムケーのホームベーカリー。10年たちますが、まだ、現役です!

MK 自動ホームベーカリー(1斤) ふっくらパン屋さん HB-100

MK 自動ホームベーカリー(1斤) ふっくらパン屋さん HB-100

 

 

今でも我が家の平日の朝食はご飯と納豆とみそ汁なのですが、その時から、週末には特別の朝食として、パンを焼く生活が始まりました。

はじめのうちはもちろん、材料にこだわる余裕もなく、ただパンを焼くということに感動して。
家の中に広がるパンの香り。
切り分けてトーストする、休日の朝。
山奥のカフェのような自然の中じゃなくて住宅街の一角だけど、ビルに切り取られた空がいつもより高く見えるような、特別に朝陽がまぶしいような、そんな休日の朝が、幸せでした。

 

【③衝撃の、薪火のレンガの窯で焼いた、こだわりのパンに出会う】

しかしそんなある日、衝撃のパンに出会いました。
オーガニックショップに売っていた、薪火で熱したレンガの窯の輻射熱で焼いたパンです。

見るからに、存在感の違う、薪火のパン。
ずっしりとして、皮は香ばしく、中は炊いたご飯に近いような、もっちり感。
原材料は、「国産強力粉、天然酵母、塩」、以上、でした。

なんか、かっこよすぎる…。
有無を言わさぬ、ホンモノ、という感じがしました。
薪のレンガの窯という焼き方もですが、それまで、ふんわりさせようとあれこれ入れていた材料が、厳選すればたったそれだけでいいのか、と、大きな衝撃を受けました。

そこから、国産小麦や粗糖、天然塩を使ったり、天然酵母の存在も知り、ホームベーカリーで焼きながらも、さまざま工夫をするようになりました。

その後、新婚旅行で訪れたイスタンブールの、大衆的な食堂の定食に無料でついているパンが抜群においしかったのも、しっかりと記憶に残っています。

 

【④田舎に引越し。手ごねで、ほんとにおいしいパンを焼きたい。】

それから数年後、夫と二人で、田舎の小さな町に引っ越してきました。
偶然にも、レンガの窯のパン屋さんのある、同じ町に。
あちこちに湧き水があって、広がる田んぼがあって、とれたての野菜が売っていて(最近では頂いたりもして)、山奥のカフェに通っていた頃にはまさか叶うはずもないと思っていた生活が、始まりました。

そして、このブログをはじめ。

ブログの読者さんから頂いた情報から、高橋雅子さんの本に出会いました。

少しのイーストでゆっくり発酵パン?こんな方法があったんだ。おいしさ再発見!

少しのイーストでゆっくり発酵パン?こんな方法があったんだ。おいしさ再発見!

 

 

せっかくここで暮らしているのだから、手ごねでもっといろんなパンを作ってみたい、しかも、本当においしいパンを。
そう思っていた矢先、ぴったりの本でした!

イーストを少量にして、ひと晩冷蔵で長時間発酵させることで、家で焼いたとは思えないおいしさを引き出す、家庭製パン法の本です。

 

まずは、プチパンを焼き始めました。
今からちょうど2年ほど前。

ヨーロッパ旅行で触れた、ハードパンをとうとう家で焼ける日が来たのです!
でも最初はやっぱり難しく、クープが開かない日々が続いたり。
ホームベーカリーにはない、粉や生地の扱い方や、我が家のオーブンの設定なんかを探ったりして、2か月ほどでなんとかプチパンが焼けるようになりました。

同時に、手ごねで型を使う食パンも作り始め。 

プチパンと食パンを焼いて1年ちょっと経ち、今年に入ってから、バゲット作りを始めました。
そうして、気泡がたくさん入ったバゲットが焼けるようになった、今に至ります。

 

 

思い返すと結構長いような、10年ちょっと。
もちろん、まだまだバゲットの修行はこれからですが、振り返ってみると、出会ったものに刺激を受けて、それまでは叶いっこない夢だとおもっていた、家でパンを焼く生活、というものを、一生懸命、でも、とても楽しんで作ってきたんだな、と思います。

パン作りって、季節や材料の状態を見ながら工夫を重ねたり、勘所を鍛えたり、もっとおいしく作るには?と、探究を続けることができるので、なかなか飽きません。

 

 

先日、アマゾンビデオで、映画を見ました。「しあわせのパン」という映画です。

shiawase-pan.asmik-ace.co.jp

 

Amazonプライムに入っていると、たくさんの映画が無料で見放題です。(↓)

amzn.to

「しあわせのパン」、Amazonビデオは、こちらから(↓)

しあわせのパン

しあわせのパン

 

 

Fire Tv Stickを使うと、家庭のテレビで簡単にAmazonプライムビデオを見ることができます。プライムに入っていたら、コストパフォーマンスがとても大きいので、購入をお勧めします。(↓)

Fire TV Stick (New モデル)

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「しあわせのパン」、DVDはこちらから(↓) 

しあわせのパン [DVD]

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北海道の湖のほとりのカフェ。
薪ストーブでコトコトとポトフをあたため。
丁寧にゆっくりとおいしいコーヒーをいれ。
薪火で季節のパンを焼く。

ちょっと生活感が足りないほど、まるで北海道の空気のように澄んだファンタジーではあるのですが、その映画が伝えたいことが、今、改めて伝わってきました。

パンを分け合う、カンパニオ。
仲間であり、家族。
ともに「暮らす」ことの、幸せ。
幸せって、究極それだけあればいい。
いや、いろんなまわりみちをしても、究極に追い求めているのは、それなのかもしれない。という、象徴。

それが、映画の全編を通して、主人公のひとつひとつの所作や、焼きたてのパンやスープから立ち上る湯気、スクリーンの中から香ってきそうなコーヒー、全てのシーンに隙間なくちりばめられています。

かたや我が家は、九州の南。
景色もずいぶん違うし、映画の中のカフェのふたりの暮らし、とはいきませんが、なんか、応援してもらった気がしました。
私が大事にしたい事を、もっともっとためらわず、どんどん実現して、追究していっていいんだな、って。
だってそこには、ただそれだけあれば、逆に言うと、それだけが欲しい、という、幸せがある、と思うから。
 

農道を車で走っていると、 稲穂の頭が垂れてきたのが、分かります。
もうすぐ、黄金色の絨毯が敷き詰められる季節!

田んぼ

ちょうど台風がやってくるようで、気がかりだったり。
それでも毎日、ここで、大きな空に抱かれながら、 暮らしを作っています。
来週、来月、来年には、果たして、私たちの暮らしは、どんな風に成長し、変化しているのでしょう。