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<旅日記>「ジェットスターで成田泊、香取神宮・鹿島神宮・成田山新勝寺への旅。」その⑤、成田山新勝寺編

成田山新勝寺

<旅日記>「ジェットスターで成田泊、香取神宮鹿島神宮成田山新勝寺への旅。」その⑤、成田山新勝寺

先々週の週末、夫とふたりで、ジェットスターを利用して、成田泊の、東関東の旅に行ってきました。

 

<旅日記>その①、「ジェットスター利用のコツ。ホテル日航成田の、One Harmony会員はお得!」(↓) 

<旅日記>その②、「香取神宮編」(↓) 

 <旅日記>その③、「鹿島神宮編」(↓)

 <旅日記>その④、「鹿嶋、Paradise Beer Factory編」(↓)

 

3日目、最終日の朝。
またホテル日航成田自慢のビュッフェでお腹いっぱい朝食を食べ、チェックアウトしてから、出発です。
午後すぎには帰りのフライトなので、午前中いっぱいで、成田山新勝寺へお参りします。
なんと、ホテルから成田山新勝寺へは、車で、たったの10分!
ホテル日航成田は、今回の旅の拠点として、とてもアクセスが良い場所でした。

 

成田山新勝寺は、1000年以上前、平安時代の末期、平将門の乱が鎮まる頃に建てられた、とても歴史の深いお寺です。

www.naritasan.or.jp

御本尊は、「お不動さま」として親しまれている、木彫りの不動明王
それを彫ったのはなんと、お寺が開かれる100年ほど前、かの弘法大師、つまり、空海、本人なんだそうです。

平将門の乱で民衆が苦しんでいるとき、空海がその100年ほど前に彫った不動明王を、わざわざ京の都から下総まで運んで、下総の地で護摩焚き祈願したところ、無事に乱が平定されたのがお寺の始まりで、それから時の将軍や民衆に慕われながら、千年の時を経てきたお寺なんだそう。

仁王門の、大きな提灯。
「魚がし(うおがし)」と書いてあり、江戸の魚河岸の奉納だと分かります。

成田山新勝寺

敷地内の階段は結構急でしたが、ちょうど私たちが訪れた時、その急な階段の下で、ひとりのおばあさんが、震えださんばかりに感激していらっしゃいました。
あぁとうとう念願のお不動様にお会いできる!という感動なのか、手提げから数珠を取り出してじゃらじゃら言わせながら、まだ見えない本堂に向かって一心にお経を唱え始めるおばあさん。
すごいなー!とびっくりしたと同時に、おばあさん、ちゃんと階段をのぼれたかな?と気がかりでもありました。

成田山は敷地が広く、一部エレベーターもありますが、階段も多く、裏の庭園は自然の遊歩道になっているので、足腰が丈夫な状態で行った方が、より楽しめるかな、と感じました。

 

階段をのぼると、大本堂!
その手前には、浅草の浅草寺のような、大きな香閣(こうかく)が。
絶え間なく焚かれるお線香のもくもくとした煙を、体の悪いところに浴びると、よくなるんだそう。
それと同時に、参拝の前に心身を清める意味があるそうです。

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成田山で思ったこと。
とにかく、なんでも、巨大!!!
大本堂の堂々としたたたずまい、圧巻です!!!

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中に入り、お参りし、遠くからですが、御本尊のお不動様を拝みました。
大本堂の中には護摩焚きの施設があって、毎日、日に何度か、護摩焚きの行を行っているそうです。
今回、私たちは参加しませんでしたが、参拝客も、護摩木を買って一緒に焚きあげ、願い事を祈願し、お札を頂けるんだそうです。

とても大きなお堂で、仏教の飾りや曼荼羅がたくさん吊りさげられ、薄暗い中、その奥にお不動様が少しだけ見えました。
そこにほんとに長い年月、どっしりと座っている、という凄みを感じました。

そもそも、お不動さん信仰って、何なんだろう?と思い、旅行の前に調べてみました。

空海は、ただ普通にその不動明王を木で彫った、というわけではなく、「一刀三礼」という、ひと彫りごとに三度礼拝をする、という方法で、祈りを込めて彫り上げたんだそうです。
それだけでもすごいのですが、そもそも、鬼の形相をした不動明王は、どうして拝まれるの?怖いの?と、なじみがないと、ピンとこないことばかり。

 

そう思いながら成田山新勝寺のページを読んで、私なりの勝手な解釈ですが、なんだかちょっと腑に落ちました。

お不動さまの御教えのページ(↓)
大本山 成田山

 

不動明王って、えらく顔色が悪くて、鬼みたいな形相で、メラメラ燃え盛る炎をバックに、縄やら剣やら物騒なものを持っています。
だから、怖い存在で、恐れから人々がお参りしてきた…というわけでは、ないようです。

そのすごい形相は、「奴僕(ぬぼく)」=召使い、といって、あらゆる人々を苦しみから悟りの世界に導くために、顔色も奴隷のように悪くなるイキオイで、全身全霊でみなさんに奉仕します、という意味なんだそうで、自らを投げ打ってまでも、という、究極の他者への奉仕を意味しているそうです。
つまり、「奴僕の姿になっちゃうほど、全身全霊で、あなたのお役に立ちたいんです!」という意味。

メラメラ燃える火は絶えることなく、つまり「一切無常、そして不断の努力で」、両手に持っている縄や剣は、「縄で縛ってでも、剣で断ち切ってでも、人の迷いを断ち、間違った方向へ進むことを阻止し」、

盤石と呼ばれる大きな岩に座って、「盤石の気持ちで、揺るがない決意とともに」、

「人々が、各々の真実の姿、本来のすばらしい姿からブレないように、そうなっていけるように、全力で加護します!」

ということかな、と、私は感じました。

つまり、鬼コーチみたいに、めちゃめちゃ厳しいけど、いつでも自分の最善の姿をちゃんと見出してくれている、めちゃめちゃ愛にあふれてる存在なのかな、と。

だからこそ、人々が、自分の価値を貶めたり、卑下したり、本来の自分にふさわしくない事をすると、鬼の形相で怒られ、縛られ、剣を振りかざされる。
「本来のすばらしい自分に戻れ!そのすばらしい原石である自分をさらに磨く、本来の修行の道へ戻れ!」と。
いつでも愛があふれてる、鬼コーチ。

 

御教えのページの中に、加持力(かじりき)という部分がありました。

加持力とは、仏さまが慈悲の心で私たちをお守りくださる力と、それを受けとめようとする私たちの信心を表しています。仏の大慈悲はいかなる時も、私たちに注がれています。仏の慈悲の力と私たちの信心とが相応じあう時、はじめて加持力が発揮されるのです。

大本山 成田山より)

 

つまり、お不動さまは、暑苦しいほど(失礼!)の、メラメラの決意の大きな愛を、四六時中、何千年にもわたって、私たちにいつでもどこでも、向けてくださっているといういこと。
それって、空気のように常にそこに存在して、でも、いつも私たちは気付いてさえいない。
しかしひとたび私たちがそれに気付いて、「あぁ、ありがたいな!」と受け取った瞬間、加持力として、目の前に現れる。

そんなことを思いながら、大きな魚河岸の提灯を見ると、江戸の民衆はお不動さまの愛を受け取って、お不動さまを愛し、あの頃も同じような大きな大きな提灯を寄付したのかな、と、江戸の町民たちの気持ちを勝手に想像して、楽しくなったりします。

 

成田山の境内は、巨大な本堂があって終わりではなく、大きく古いお堂、しかも国の重要文化財がいくつもあります!
その意味でも、ほんとうに大きいお寺です!

こちらは、釈迦堂の前の、香閣。
こちらもお線香から煙がモクモク。
釈迦堂は150年以上前に建てられた、前の本堂なんだそう。

成田山新勝寺

 

こちらは、額堂(がくどう)。
人々が奉納した絵馬や額などを飾る建物なんだそう。
右下に見える像は、江戸時代の歌舞伎俳優、七代目、市川團十郎の石像です。
市川海老蔵さんをはじめ、歌舞伎の市川家は代々成田山新勝寺に縁があり、それで「成田屋!」という掛け声をかけられるわけですね。

成田山新勝寺

もともと、江戸時代の歌舞伎役者、七代目の市川團十郎が、子宝を授かりたい、と、新勝寺にお参りしたところ、めでたく後継ぎとなる男の子に恵まれた、というところから、市川一門と新勝寺の深いつながりが生まれていったそうです。
魚河岸だけでなく、当時の庶民のスターである歌舞伎役者も、みんなこぞってお不動さまにお参りしていた、という光景に思いをはせると、江戸町民の賑わいが今でも感じられる場所です。

 

こちらは、光明堂。

成田山新勝寺

300年以上前に建てられた重要文化財で、さきほどの、前の本堂だった釈迦堂の、さらに一代前の本堂だったんだそうです。
今は、中に、大日如来愛染明王不動明王が祭られていて、今の本堂よりも少し小さい分、近くではっきりと仏像を拝むことができます。

他にも、三重塔や、比較的新しい平和大塔など、見上げるような建造物がいくつも。

 

そして、成田山新勝寺には、とても広い庭、というか公園があり、その中に、書道美術館があります。
ちょうど書道美術館自体は開いていない期間だったのですが、その脇に、有名な「水琴窟」があると聞いていたので、行ってみました。

成田山新勝寺

「水琴窟」の隷書風の文字が、また、趣深い看板。
そこにあったのは、岩を伝う水と、ひしゃくと、突き出た竹筒。
地下に埋めらている大きな甕に、水がポタ、ポタ、と落ちると、その音が甕に反響し、澄んだ楽器の様な音色がするという仕組みです。

説明書き通りに、夫に水を柄杓ですくって石にかけてもらい、私は竹筒に耳を当ててみました。
水が浸透して甕に落ちると、さまざまな高さの心地よい水の音が!
涼しげで、独特のリズムがあり、さながら江戸時代のテクノ。
目をつぶると、ひんやりとした風、そして深遠なる宇宙の景色。
しばしのトリップ感を味わいました。
江戸時代にも、感覚派の、楽しむことが好きな人々がいたんだなと、ちょっとほほえましくなります。

 

成田山の公園は、緑豊かです。
林の遊歩道、という感じで、木々の間を、水のある庭園をのぞみながら、ときには小川を飛び石で渡りながら、歩きました。

成田山新勝寺

途中に、「雄飛の滝」と呼ばれる滝もありました。

雄飛の滝

 

そして、お寺、とはいっても、大きいだけあり、中に立派な稲荷神社まで。

成田山新勝寺

出世稲荷、と呼ばれるお稲荷様の神社がありました。
地元の千葉のお殿様が寄進したものだそうで、こちらにもたくさんの参拝客が。
(写真右は、先ほどの魚河岸の提灯の反対側です。)

 

そして、この日、年に一度のラッキーにも出会えました。
音楽や芸能、金運の神様といわれる弁財天の、年に一度のご開帳のうちの1日でした!
こちらにも、多くの参拝客が。

祠の中の弁財天様は、思わずこちらもにっこり微笑んでしまうような、かわいらしい、笑顔の女性でした。
音楽、は、音を楽しむ、と書くように、芸術は楽しくないと!と言っているようにも、笑う門には福来たる!と言っているようにも、見えました。
心の底からの笑顔や喜びからすべてが発生していると、自然に豊かに拡大・繁栄していく、そういう、女性性のもつ、生み出す・繁栄の力を、感じました。

新勝寺でも年に一度しか手に入れることのできない弁財天様のお札を持ち帰り、さっそく、玄関に飾っています。 
お札があって、そこを清浄な場所にキープしようとすることで、玄関全体が明るくなりました!

 

新勝寺」という名前にあるように、「勝ち守り」が有名な場所ということで、夫は、勝ち守りを買い求めていました。
もともと男性中心の厳しい修行を行う密教のお寺であり、メラメラと炎を燃やす護摩焚きや、力強い不動明王、「新勝寺」という名前、出世稲荷など、男性の心身をリフレッシュし、はっきりとした目的を定め、力強く前進するために大きな力をくれる、そんなお寺にも感じました。

 

 

神社やお寺って、地味で縁遠い、と思われがちですが、周囲がどれだけ変化しても、そこだけは古くから守られてきた場所であり、自然が多く、公園としてみても、五感で心地いい、と感じられる場所が多いです。

時空を超えたすごい存在に直接触れ、日常ではなかなか見られない視点で、改めて周囲への感謝や、自分自身、これから自分が作っていきたい未来を、見つめ直すことができます。
そしてそんな風に自分を見つめ直せば、おのずから神様や仏様に応援してもらうことができ、元気になってまた日常に戻り、自分の人生を作っていくことができます。
普通の日常を生きていれば生きているほど、必要な時間だな、と、私は思います。
 

 

大満足で境内を出ると、成田山の参道です。
すぐ近くに、有名な、うなぎの川豊本店が。

成田山新勝寺

まだ午前中だというのに、店の前に行列ができ、店先では、名物の巨大なイチョウの一枚板のまな板で、職人さんたちが次々と、手際良くうなぎをさばいていました。
イチョウの木の殺菌・消臭作用は、他の木材に替えることができないんだそうです。
今回は、予算やフライトの時間の関係で、うなぎは見るだけです。(笑)

 我が家のまな板も、イチョウです。(↓)

 

歴史ある建物の薬屋さんや、お土産で有名なピーナッツ最中のなごみの米屋さん本店もあり、あれこれ食べ歩き、買い物歩きするのが楽しくなりそうな道でした。

ぴーなっつ最中 8個

ぴーなっつ最中 8個

 

まだ本格的な雨は降りだしていない時期でしたが、お寺のしっとりと歴史ある色遣いに、紫陽花の鮮やかな色が映えて、いい季節の成田山を訪れることができました。

 

 

午前でじゅうぶんに成田山を満喫して、レンタカーを返却、もうチェックアウトは済ませていましたが、空港から近いので、そのまま向かいのホテル日航成田に戻り、1階のカフェでバーガーとコーヒーのランチを食べました。

www.nikko-narita.com

ブルーボトルコーヒーのコールドブリューが置いてあったので、コーヒーがとてもおいしかったです。

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そして、噂の、大混雑の成田空港第3ターミナルへ。 
時間の関係で、日航成田からタクシーに乗り、向かいました。
ホテルからのシャトルバスは、日中は第3ターミナルには止まらないので、第2ターミナルから結構歩かなくては(もしくはバス)いけないのですが、距離的に近いので、タクシーで直接第3ターミナルに向かうのも、時間に縛られず、ラクです。

第3ターミナルは、効率化、合理化、で、さすが見聞きしていた通り、無駄を極力省いたしつらえでした。
通路表示はまるで陸上のトラックのよう。
フードコートも日本人やアジア人でいっぱい。
でも、ある程度種類が厳選された土産コーナーは、夫が会社のお土産など買うのには都合がよく、いろいろ合理的なのも、うまく利用すると、時間にも余裕をもって、スムーズに帰りのフライトへ向かうことができました。

 

あっという間の2泊3日。
それでも、香取神宮鹿島神宮成田山新勝寺、と、ビッグな場所を3つも、じっくり回ることができました。

神社仏閣って、とても気のいい場所に建っていたり、自然が美しかったり、何百年もの歴史あるものを間近で見ることができたり、長いあいだ人々が聖地を大事に守ってきた空気が感じられたり、 時空を超えた人々と共感を得たり、それで自分を見つめられたり、遠くても行く価値のある、おもしろい場所だなといつも思います。

その空気を胸に、日常へ、自分の人生を作っていく場所へ、帰ってきました。

 

LCC航空のおかげで、今まで遠かった場所がぐっと近くなり、普通の週末だけでも色々なところに行くことができるようになりました。
とても幸せな時代だと思います!

また、夫と一緒にでかけようと思います!