「マキネッタ」と「茶せん」で、おうちカフェ。手間を楽しむ、秋の休日カフェラテ。
これ、まだ料理とかほとんどできなかった、二十代前半の頃、「雑貨屋でみかけて、かわいかったから」という理由だけで、実家にプレゼントしたものです。
「なんかこれさ、コーヒーのやつでしょう?はい、あげる♪」
ぐらいのノリでした。
結局、誰にも使われることなく、実家の飾棚で年月を重ね、その後私が結婚してずいぶん経ってから、また私の手元に帰ってきて、数年。
買ってから10年近くたって、去年あたりからやっと、使ってあげることができるようになりました。
マキネッタ、といいます!
その名前は、マキネッタ、と言うそうです(買った当時は名前すら知らず)。
【直火式エスプレッソメーカー】
一方の直火式メーカーですが、こちらは文字通り、直接火にかけることで蒸気圧を生み出し、これを利用してコーヒーの抽出を行うエスプレッソメーカーです。得られる気圧は電気式(ポンプ式)ほど高くなく、クレマも、カップに注ぐとほとんど残らないほどしかできません。しかし、その抽出力は意外に強く、抽出後のコーヒーの粉がカチカチに固まる程度の蒸気圧が得られます。
日本では、エスプレッソメーカーというと電気式の方がよく知られていますが、本場イタリアでは、実はこの直火式メーカーの方が圧倒的に広く普及しています。「マキネッタ」(小型のコーヒー沸かし器の意)と呼ばれ、ほとんどの家庭がこの器具を使って毎日のコーヒータイムを楽しんでいるのです。どの家庭でも最低1台は持っているといわれていますので、日本の「きゅうす」のような存在といえるでしょう。
つまりは、エスプレッソ大好きなイタリア人の家庭に、まるで日本の緑茶用の急須のように必ずある、直火式でエスプレッソコーヒーを入れる道具、なんですね。
コーヒースタンドにある、でっかいエスプレッソマシーンが各家庭における訳もなく、とても工夫された、いい道具なんですね!
当時、ほぼインスタントコーヒーしか知らなかった私は、誰もコーヒーをドリップしない実家に、いきなりプレゼントしちゃったわけです。実家のみなさますみません。
仕組みは?
分解すると、このようになっています。
最下段に、水を入れます。
左のじょうごみたいなのに、挽いたコーヒー粉を入れて、水を入れた下段にセットします。
上の蓋をしっかりねじこんで、このままコンロの直火にかけて、出来上がると、上の蓋の中に、コーヒーが抽出されます。
最下段の水が熱されて、その蒸気圧で、じょうごの様なコーヒー粉の層を、お湯が噴水のように下から上に通り、最上段にコーヒーだけたまる、ということですね。
エスプレッソ、だけでもない。
この道具を使い始めようとしたとき、お気に入りのコーヒースタンドの店主さんに、いろいろ聞いてみました。
すると、マシンのエスプレッソとは同じものはできない事や、だからこそ逆に、エスプレッソにこだわらず、ペーパードリップやネルなどと同じように、「普通のコーヒーの抽出道具のひとつとして、違いを楽しむといい」ということを言われました。
今日は、久しぶりだったのでエスプレッソ用のコーヒー豆も切らしていたし、普通のハンドドリップ用のコーヒー豆をミルで挽いて、マキネッタでいれてみました!
分解。使い方。
結婚した頃買った、コーヒーミルです。
カリタの、ダイヤミルといって、鋳鉄製の重~いミルですが、縦方向に回すので、意外とラクに豆を挽くことができます。
職人さんの手作り品で、ロングセラーなんだそうです。
それで挽いた豆の粉を、きれいに詰めます。
実はこの詰める段階が大事で、ちょっと粉をねじの溝に残してしまったりすると、閉まっているようでしっかり閉まっておらず、コーヒーが漏れ出てしまうことがあります(経験談)。
火をとめるタイミングは、「耳」で。
コンロの火にかけると、最初は無音。それが、シューシューと音がしはじめ、ボコボコといい出します。その間にコーヒーが抽出されて、ボコボコが、ボコッ!シューという音に変わっていく時、終了です。
せっかくだから、あわあわラテにしませんか?
やっぱり、季節がら、あわあわのホットミルクでカフェラテにしたいなぁと。
これまたお店のエスプレッソマシンについてる、フォームミルクには到底かないませんが、意外といけるのが、日本のお抹茶の、茶せんです。
ミルクパンで、牛乳をあたためながら、まだぬるい段階から、茶せんでシャカシャカします。すると結構な泡立ち具合。
チョコソースとココアパウダーでカフェモカや、砂糖と水でカラメルを煮たてて、キャラメルマキアートなんかも自由自在です♪
また、冬に、少量のお湯で砂糖も一緒に溶いたココアに、あわあわミルクをたっぷり注ぐと格別なので、冬に茶せん、おすすめです!
いただきます!次回はエスプレッソ用の豆で。
秋らしい風も感じる午後、ほっと一息、頂きました。
次回は、illy(イリー)のエスプレッソ用の豆でいれようと思います。
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実は、家庭用の直火マキネッタは、業務用のマシンとずいぶん圧力も違うので、挽いた粉としてエスプレッソ用に売っている極細挽きの粉は、あまりよくない、という説もあります。
なので、豆を買って、家で挽いていれます。
やっぱりエスプレッソ用の豆は苦くて、でも、ミルクとの相性が格別ですね!
マキネッタは、使い込むほどに味が出る道具なんだそうです。
でも、私が二十代前半にカワイイ♪ノリで買ったこのマキネッタ、残念ながら、メーカーなど分からず、パッキンなどを交換できません。
もし寿命がきたら、ビアレッティのモカエキスプレスを買って、本格的に育てようかと思っています。
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手間もたのしむ、おうちカフェ
秋がやってきます。
栗もおいしいし、焼き菓子が似合う季節。
ビスコッティなんかを朝から焼いておいて、もうカリカリに仕上げておいたり。
そしておもむろに、コーヒーを豆から挽いて。
カップに満たしたお湯からあがる湯気。
茶せんのあわあわミルクの甘い香り。
じっくり育て中のマキネッタをコンロにかけて、耳をすませて。
そうなると、お気に入りのクッションと、ブランケットと、本と、音楽。
すべて、自分のためだけにそろえて。
それって今、コンビニでも全部そろえる事ができるんですけどね。
夏はわざわざクーラーのない場所まで行ってキャンプしたり、外であえて不便なバーベキューしたりして楽しむんですから、秋には、たまにはそんな休日、いかがでしょうか?
やさしい秋の風を感じに、カセットコンロを持って、どこか外でコーヒーをいれるのも、楽しそう♪