kurashito~暮らしと

暮らしが幸せになるためのことを、日々追究しています。

西加奈子『白いしるし』。休日の、かわらそばを手作りで。ガーデンレタスミックスが、あふれそう。

西加奈子『白いしるし』"

西加奈子『白いしるし』

立冬を越えて、冷たい雨の日です。
最近、実用性のある本ばかりに囲まれて、無性に小説が読みたくなっていました。
死んでもいいや!とばかりに、ただただ感覚と感情の海に全身を預け、読後には何の認識利得もなく、ただ内的体験をなんどもなぞって、死んでは生まれて、ずいぶんしばらくたってからも、淡いフラッシュバックに酔いしれて、ぼーっとしてしまうような、小説。

この間図書館に行ったついでに、中身もろくろく見ないで、大好きな西加奈子さんの白い本を借りてきました。よくよく見ると、白地に白い絵の具がひと刷毛、の表紙でした。

そうやって迎えた冷たい雨の月曜。小説を読むお膳だてはカンペキです。

図書館で手に取った時は、夫の帰りが遅い日に、少しずつ読もうと思っていたのです。
でも、またやってしまった。最初の頁を読んだが最後、最後の頁をめくって時計を見上げて、2時間たってしまったことを知る私。

おもしろかったです。
西加奈子さんは絵も描かれるので、この本も含め、表紙や挿画にご自身の絵が使われています。
この小説は、油絵を描く女性が主人公で、また、油絵を描く男性も出てきます。

あまり絵を描くことになじみのない私と違って、西加奈子さんの小説の中では絵の具ひとつをとっても身体性の一部で、油絵で描かれた線ひとつをとっても、脳天を突き抜けるほどの力を持ちます。それぐらいむきだしな感受性が、西加奈子さんお得意の関西弁ワールドで、駆け抜けます。

西加奈子さんは、私のちょうど2歳上。世代が近いので、共感できたり感情移入しやすいのですが、いつも、この感覚の世界と関西弁ワールドの温度と疾走感で、つい一気に読んでしまう傾向にある作家さんです。
テヘラン生まれ、エジプト経由、大阪育ち。いつもそんな経歴に大きく頷きつつ。

ついてもいない白い絵の具を私の人差し指にビリビリと感じながら、あぁ、読みたかったものが読めた!そんな満足感に浸り、今度はAmazonではまっぷたつに割れているレビューにニヤニヤしながら、昨日のラジオで聞いた言葉を思い出していました。

www.j-wave.co.jp

野村訓市さんが、言ってました。

「自分が好きだと思ったアートを買って、毎日ながめてニヤニヤする。それが新人だろうが無名だろうが、他からどんな評価を受けていようが、関係ない。自分が好きだと思ったものが、最高なんですから」

と。「野村さんって売れっ子のアーティストと付き合いありますね、どこで知り合うんですか?」とよく聞かれるけど、ほんとはその10倍の数のアーティストを知っていて、売れたのがそのひとにぎりなんです、とか。
野村さんが若かったころ、イヴァン・ヒーコックスのポスターをとり寄せては、飾ることができるわけでもなく、くるくると巻いた梱包から取り出しては眺め、ひとりニヤニヤしていた頃の話とか。

www.albatro.jp

私は好きだなぁ、西加奈子さん。
もちろん彼女は無名でも新人でもない、売れっ子作家さんだけど。

そして、今回の『白いしるし』の主人公の「夏目」も、「まじま」くんも。
絵で感じるしびれるような感覚も、みんなそれぞれが違う次元に居て微妙に接点があって、でも結局それぞれの「圧倒的なものの、渦中」に居る、あったかさやいとしさや切なさ。

それを感じたりなぞったりするだけで、人間って、エネルギーがわいてくるもんなんですね。なんかこの「私を取り戻した」感。

Amazonのレビューでは、「期待はずれ。もっと恋を描いてほしい」とか「気持ち悪い」とか、人の感性はさまざまだなと思います。でもそれにすら、あったかさやいとしさや切なさ(?)が湧いてくる始末。

でも、私は、好きだなぁ。西加奈子『白いしるし』。

白いしるし

白いしるし

 

 

ずいぶん前に読んだけど、これも好きでした。
今でも忘れられない、肉子ちゃんの触角みたいな前髪と、肉子ちゃんのひと言、「サリンジャー!」。
西加奈子『漁港の肉子ちゃん』

漁港の肉子ちゃん

漁港の肉子ちゃん

 

ときには、小説読まないと、何かが枯渇してしまいそうです。 
ただいまうるおい、満タンです♪

 

休日の、かわらそば。

手作りかわらそば

昨日のお昼は、手作りかわらそばをしました。作り方は、こちら(↓)。

kurashito.hateblo.jp

金曜のうちに、錦糸卵とおだしをとっておいたので、あとは直前の作業だけ。
かわらそばのおだしはあっためて食べるものなんですが、季節がら、あったかいおだしに茶そばをつけると、ほっとしてしみわたるようでした。

そういう楽しみが増える季節でもあります。

 

ガーデンレタスミックスが、あふれそう。 

あふれるガーデンレタス

1か月ちょっと前に種を植えて、1か月前に間引きし、一部を本命としてコンテナに、残りのうち元気なものをこうやって育苗箱に植えかえて、ベビーリーフとして食べようと育てています。

アタリヤ農園 ガーデニング用品 種 ガーデンレタスミックス
 

だんだん、ベビーではなくなってきました…。

結構ガッツリ食べれそうな大きさになり、あふれそうな雰囲気に。
育苗箱はこんなに浅いのに、すばらしい!

やっと今週末から、目玉焼きに添える野菜は、ここから自給できそうです。

 

今夜は冷えるので、また別府温泉の湯の花を入れて、超絶あったまるお風呂にして、夫を待とうと思います。 

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