寒い日だから、キャラメルマキアートと街の図書館まで散歩。長尾智子さん『わたしとバスク』。ドライブミュージックは、CHARA。寒い夜には、別府みょうばん温泉湯の花。
寒い日だから、キャラメルマキアートと図書館まで散歩。
昨日は用事で、車で40分、ひとりで街まで遠出しました。
用事を終えたら午後から、美容室で髪も切ってしまおうと。
すぐ隣の町とはいえ峠を越えた田舎に引っ越して一年、月に2~3回は街に出てきています。
それでも毎回懐かしく感じる、街の空気。
この冬一番の寒さは、細かいみぞれと一緒にアウターを通してしみ込んでくるようでした。
いつものお気に入りのコーヒースタンドで、すっきりしたコーヒーが飲みたくなり、一番安いストレート、「本日のコーヒー」をオーダーしかけました。
「本日のコーヒーをホットで、あ。」でもやっぱり、「キャラメルマキアートに変えます」。
一瞬、ポットから注ぐだけの「本日のコーヒー」だと油断?拍子抜け?したのか、店主さんははっと我に返ったように「はい、かしこまりました」と。
ペールブルーのセーターから見える白襟がきりり。
スチーマーの湯気の音もあったかく聞こえる真冬日の午後、いつもながらのきめ細やかな泡につつまれて、美しいキャラメルマキアートが出てきました。
ちいさくてシンプルなこのコーヒースタンドを一人で切り盛りするバリスタさんは、日本一をとった実力者で、元パティシエさん。
なので、ここのキャラメルは、市販の業務用キャラメル「風」シロップ、ではなく、バリスタさんの手で砂糖から炊き上げたキャラメルを使っているそう。
なんでも、コーヒーに混ぜ込むほうと、デコレーションとして上にかけるほう、二種類のキャラメルをわざわざ別に作っていらっしゃるそうで、ここのキャラメルマキアートは、二種類のキャラメルと極上のエスプレッソの、苦みと甘みのバランスまで計算し尽くされた逸品なのです。
・・・なんていう情報は、ご自分で多くを語らないバリスタさん。
ひっそりとtumblrに載せてあったのを偶然この間読んで知ったのでした。
立ち寄り、立ち飲みのコーヒースタンドなのだから、常連客があまり根ついてしまうと風通しが悪くなるので、バリスタさんはお客さんとあまり長く会話もしないし、お客さんに媚びたようなことも言ったりしません。
ただ黙々と、でもおいしいコーヒーを居心地良く飲んで笑顔になってほしい、という、気遣いだけはダダ漏れの、いつもちょっとgroovyなジャズとマシンのシューっという音だけがしている、あったかい灯りのシンプルなお店。
そんなところも、好きなのです。
私が生まれてから35年過ごしたその市の一番の繁華街には、昔からいろんな個性をもった小さなお店や店主さん店員さんがいて、いつもその「それらしさ」を感じるのが私の喜びで、ときには学校帰りのバスを降りて、ときには家から自転車で、歩きまわった思い出の街なのです。
ここのコーヒー、一口飲むと、ほんとにパァーっと世界が変わります。
今日は、ここのキャラメルマキアートを片手に、街から図書館まで、久々に歩いてみました。
細かいみぞれに降られながら、でもふとした瞬間、石畳の広い道の上に、慣れ親しんだ街の青空が大きく広がって、はっとすることも。
田舎に住んでいると、意外と歩かないのです。
町全体の規模は小さいからすぐ着くとはいえ、どこへ行くにも「車で」5分、10分、とかです。
家から歩いて出ても、歩行者がほとんどいない道を結構歩かないと、お店も銀行もないし、電車なんて無いし。
コーヒースタンドから図書館まで、ほんの10分ほどでしたが、空の開けた広い道を、キャラメルマキアートと一緒に大きな歩幅で歩きました。
とっても気持ちいい!
道端の花と一緒に、背筋が伸びる感じです。
昔、制服を着て通っていた古い大きな図書館、懐かしく。
長尾智子さん『わたしとバスク』
借りてきた本のうちの一冊は、長尾智子さんの、わたしとバスク (クウネルの本)です。
長尾智子さん、とても好きなんです。
なんというか、本格的なフランス料理・和食、とかの「料理道」ではなくて、いろんな野菜やスパイスを手軽に使いながら、でも、素材に愛情を感じるような、たとえばほんの10秒ほどお湯にくぐらせる、とか、そんなさりげないひと手間で、食材をぐっとおいしくしてくれるような感じの調理法が多いです。
こうでなくてはいけない、とかではなく、あくまで、「おいしいね」と、家族が食べられるような、でもどこかおしゃれでもあり、楽しくて自由な、そして素材を大事に思いながらおいしさを存分に引き出すような料理。
それに彩られた、食卓。
私もそんな風に食卓を作っていきたい。
あこがれます。
この本も大好きです。
以前、10冊の本で自分を表現、という記事でも写真に写っています。
そんな長尾さんが2006年に書いた、バスクのエッセイを、借りてきました。
長尾さんのバスク愛はすごいものがあって、4年ほど前、私が夫と実際にスペインとフランスにまたがるバスク地方へ旅行したのも、長尾さんが特集されたクウネルのバスクの記事を読んでのことでした。
本の表紙の青い布も、私が写真で本の下に敷いた我が家のクロスも、フランスバスクのサンジャンドゥリュズという小さな町で買った、7本のボーダーがバスクの7地域を表すというバスク伝統柄の、バスクリネンです。
また改めて、その時を思い出しながら、読んでみたいと思います。
ドライブミュージックは、CHARA。
- アーティスト: CHARA,U-Ske,渡辺善太郎,David Motion,CUB,Peter Lorimer,藤田哲司
- 出版社/メーカー: エピックレコードジャパン
- 発売日: 1995/10/10
- メディア: CD
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お出かけのおとも、昨日のドライブミュージックは、CHARAの初期のベスト盤でした。
なんと1995発売なので、90年代前半までの 懐かしい曲ばかりです。
車の窓をつたう冷たい雨は、この曲を聞きながらだとちょっとセンチメンタルに。
昔CMにも使われてたな~。
懐かし~~。
思い出とともに、家→用事→繁華街→家、1時間半のドライブでした。
寒い夜には、別府みょうばん温泉湯の花。
以前記事にも書きましたが、
本当に冷える夜、疲れた日には、別府明礬温泉の湯の花が、芯からあたたまります。
歩いたり運転したりして冷えた昨夜は、湯の花でゆっくりあたたまりました。
冷えやすい夫がお風呂からあがってくると、お湯で戻したみたいに(笑)、元気になって出てくるのがおもしろいです。
追記です!
明日は小正月。
よく働いた女性の正月の疲れをとる「女正月」とも呼ばれていた日です。
小豆を使った小豆粥や小豆茶、お汁粉など食べるといいそうです。