kurashito~暮らしと

暮らしが幸せになるためのことを、日々追究しています。

シャクヤクの香り、はつか大根、イタリアンパセリ。土や肥料の基礎から、教科書。雑誌「クウネル」が教えてくれたこと。

シャクヤクの香り

シャクヤクの香り、はつか大根、イタリアンパセリ

新緑をさらさらと吹き抜ける風が陽光も揺らし、ここ2、3日、うっとりするほど気持ちの良いお天気が続いています。
梅雨の前の、ほんの一瞬なのかもしれませんが。

そういえば秋にも少しだけこういう時期があります。
朝晩、真昼の灼熱がさーっと引いて、肌をさらさらと最初の秋風がなでていく季節。
毎年はっとするその最初の秋風ですが、ほんの少しだけ、夏が終わっていくセンチメンタルな気分にもなるんですよね。

春は、というか、田舎に引っ越してきてから特に、さらさらと吹く風とともに様々な鳥の声がして、この春のつかの間の季節を、ひときわ美しいと感じます。

 

花屋さんでシャクヤクを一輪、買いました。
買った時は、小さく固い毬のようなつぼみでしたが、それがわらわらとほどけ、今、大輪のピンクの花を咲かせています。

シャクヤクの花って、こんなにいい香りだったかと、驚いています。
たった一輪ですが、近くを通るたび、また、花に顔を近づけるたび、どこかすっとさわやかでいて、華やかな。バラに近いけど、もっと清々しさやなじみのあるような、本当にいい香りがします。

名前の由来:

「しとやかで美しい意の『綽約(しゃくやく)』からきた」 と言われています。
また、ヨーロッパでは美しい花をバラに例え、シャクヤク の事をフランスでは「聖母のバラ」スペイン・イタリアでは「山のバラ」と呼ばれているそうです。

(花・フラワーギフトなら青山フラワーマーケット | 旬の花を楽しもう SEASON FLOWER-PeonyLoverより) 

なるほど、西洋では、「聖母のバラ」、「山のバラ」、と呼んでいるのですね。
フランスでは、ワインの香りを表現する言葉として、「シャクヤクのような」という言い方もあるんだそう。 

花ことば

「内気」 「はじらい」 「はにかみ」

「立てばシャクヤク座ればボタン」と昔から美人を表す花として用いられますが、 シャクヤクは夕方になると花びらを閉じるので「はじらい、はにかみ」という花言葉になったそうです。

最近では「Peony」ピオニーと呼ばれ、コスメでも多く使われるシャクヤクの香り。バラのような甘い香りのものや菊とバラをあわせたような香りなど、種類によって異なります。

(花・フラワーギフトなら青山フラワーマーケット | 旬の花を楽しもう SEASON FLOWER-PeonyLoverより) 

今部屋にあるこのシャクヤクはきっと、菊とバラをあわせたような香りの品種なのでしょう。
女性ならおそらく誰でもが女性であることの喜びがあふれてしまうような、圧倒的なバラの香りももちろん好きですが、このシャクヤクの、どこかすっきりと親しみやすい香りも、私は好きです。
貴族やセレブの美女ではなくて、近所にいる、とても魅力的なあこがれの女性みたいな。
一輪でもじゅうぶんに見ごたえがあり、つまり、お財布にやさしいのも、ステキ。

 

我が家の庭では、今日は、カモミールにどこからか蜂が遊びに来ています。
そして近くを白いモンシロチョウが2匹、ひらひらと。
モンシロチョウはかわいいのですが、卵を産まれてしまうと害虫になってしまうのが切ないところ。

そして、1ヶ月半ごろ前に種をまいた、はつか大根ミックス。
ここ2、3日のお日様をあびて、葉っぱも大きくシャキンと立ち、根元がだいぶどっしりぷっくりしてきました。

はつか大根ミックス

そして、もう去年のだか今年芽を出したものだか分からなくなってきましたが、多分、去年から植えていて冬を越えたほうのイタリアンパセリ
葉が小さく固くなって、応急的に新しい苗も一本植えましたが、こちらもちゃんと春の新しい葉を広げてくれるようになりました。

イタリアンパセリ

ちゃんと大きくなった葉を広げ、根元には次の芽がのぞいています。

毎日、水や肥料や虫や花のつきや、様子をみるのが欠かせないし、とてもいい時間です。
今日は先輩ズッキーニの花(相変わらずの雄花)に盛大な穴があいており、案の定その花の裏に、何かの赤ちゃん虫が。
門番カマキリ隊長、エサだよ!
と、さしだそうと思った時に限って、そこにいません、隊長。
朝早い時間、掃除のときには確かに、後輩ズッキーニの、まだいくぶん小さな葉の上でカマをこすりあわせていたというのに。

今日も、ちょっと日射しが和らいだ時間、15分ほど、タオルと帽子をかぶって、草取りをすることができました。
まだ蚊が少ない時期なので、楽ですね。

 

 

土や肥料の基礎から、教科書。雑誌「クウネル」が教えてくれたこと。

金属製のブックマーク

以前、とてもうつくしいブックマークをいただきました。 
最近、金属製の凝った形をした、うつくしいしおりが売っているようです。

文房具好きには、たまりません。

 

その後ろにある本、右側の一冊は、今読んでいる、『イラスト 基本からわかる土と肥料の作り方・使い方』という本です。

イラスト 基本からわかる土と肥料の作り方・使い方

イラスト 基本からわかる土と肥料の作り方・使い方

 

土の事や農学的なことをほとんど知らずに育った私ですが、いざ自分がコンテナでちょこちょこっと野菜やハーブを育てるようになって、知りたいことがたくさんでてきました。
なぜ、枯れるのか。肥料なのか、水なのか。
なぜ、根ぐされするのか。
この虫は、益虫なのか、害虫なのか。
植物の種類のよって、土の配合はどうちがうのか。
どの組合せで寄せ植えすると、お互いを助けるコンパニオンプランツなのか。
それはなぜなのか。
どうやったら、たくさん収穫できるのか。
どうやったら、土を健康に、次の年も使えるのか。
生ゴミやたい肥やボカシって、どうやって土づくりに使えるのか。

その都度、ネットで断片的に学んではいるのですが、イマイチつながりをもって定着させられず、つまりうまく応用できずにいます。
この本は、それらのおおもとの基礎や、つながった体系まで、きちんと解説してある、思うに「教科書」のような本です。

私がちょっとニガテな化学式まで使って、例えば、

  • 有機質が2種類の硝化菌という菌によって、アンモニア亜硝酸→硝酸と分解されることで初めて、植物は、必須の栄養素であるチッソを吸収でき、
  • もしも亜硝酸を硝酸にしてくれる種類の硝化菌が足りなければ、植物に有害な亜硝酸だけが土に残ってしまうこと
  • その大切な硝化菌は、分量でいうと全体の5%しかいない、無機物を栄養とする少数派の「無機栄養微生物」なんだけど、それが生育のカギを握っていて、地球上の窒素の循環を支配していること

など、驚きに満ちたミクロの世界の、化学的な根拠や基礎がきちんと書いてあります。
ただいま第2章。

現代の農業の基礎知識を学んで、そのまま素直に農薬や化学肥料を使う、いわゆる「慣行農法」で庭のハーブを育てるつもりではないのですが、前回読んだ、雑誌『自然栽培 vol.1』で、奇跡のリンゴの木村さんが、自然栽培のことを説明するときに使っていた用語やその道理も、この基礎を学ぶことで、やっと少しは理解できるようになりそうです。
大人になってから、おもわず蛍光ペンでラインを引いて、テストに出るかも!とか書きたくなるようないわゆる「教科書」に出会う機会は少なくなりましたが、これまたあの頃と違って、なかなかおもしろいものです。

 

左側のもう一冊は、一昨年の、雑誌クウネル。

ku:nel (クウネル) 2014年 03月号 [雑誌]

ku:nel (クウネル) 2014年 03月号 [雑誌]

 

私は、雑誌クウネルを3~4年ほど、 定期購読していました。
郵便ポストにクウネルの最新刊が入っているのを見ると、どんなに仕事で疲れて帰ってきても心が躍ったし、定期購読の景品のクウネルくんの手ぬぐいは、今でもかつおぶし削りのカバーだったり、そこかしこに使っています。
でも、確かこの2014年あたりで、定期購読は一旦やめました。

とても好きだったのですが、いつしか、同じようなメンバーの対談や特集に、ちょっと狭さを感じたり、色気や消費的なオシャレとは対極のたたずまいに、あまりハマっていては、私ヤバいかな?とか色々思い、ちょっと世界を広げてみたくなったのです。

今でも行きつけの美容室では、私が行くとすでに座席に『天然生活』が置いてあるし、

天然生活 2016年 07 月号 [雑誌]

天然生活 2016年 07 月号 [雑誌]

 

 40代に近づく女性という立ち位置で、趣味のいい奥様のサンプルとして、雅姫さんのSENS de MASAKIは、季刊号で気が向いたら買っていて、付録もいいし。

集英社ムック SENS de  MASAKI vol,4

集英社ムック SENS de MASAKI vol,4

 

書店でみかけたら『暮らしのおへそ』は手にとるし、

暮らしのおへそ vol.21 (私のカントリー)
 

 ちょっとテイストは違いますが、「実」の雑誌、「読む」雑誌として、マーマーマガジンは毎号読んでいます。といっても気まぐれな発売なので、たまにですが。

murmur magazine for men 第2号

murmur magazine for men 第2号

 
マーマーマガジン 第21号

マーマーマガジン 第21号

  • 作者: 服部みれい,『マーマーマガジン』編集部
  • 出版社/メーカー: 株式会社エムエム・ブックス
  • 発売日: 2014
  • メディア: 雑誌
  • この商品を含むブログを見る
 

 

定期購読をやめたクウネルも、書店で見かけたら何となく手に取ったり、表紙だけは毎号眺めるような月日が過ぎていきましたが、そのクウネル、今年になって、大々的にリニューアルしました。 

ku:nel(クウネル) 2016年 05 月号 [雑誌]

ku:nel(クウネル) 2016年 05 月号 [雑誌]

 
ku:nel(クウネル) 2016年 03 月号 [雑誌]

ku:nel(クウネル) 2016年 03 月号 [雑誌]

 

 表紙を見て分かる通り、ずいぶんと雰囲気が変わり、なんだか対象年齢が一気に上がった感じ。
初めて書店で見かけたときびっくりし、軽くショックだったのは、覚えています。

 

その「クウネルショック」についての記事を見つけました。

www.huffingtonpost.jp

「新クウネル」の特集は、「フランス女性の生活の知恵」。かつてオリーブ少女たちが憧れたパリのリセエンヌがそのまま素敵に年を重ねたようなフランスの女性たちが、そのライフスタイルとともに紹介されている。彼女たちは、ブティック責任者だったり、イラストレーターだったり、バッグデザイナーだったり。華やかな業界で、若いころと同じように、今も仕事に恋愛に、キラキラしている。

(「クウネル」のリニューアルはなぜ必要で、何が必要だったのか? | Chika Igayaより)

そうなんです。
昔の伝説的雑誌、オリーブを担当されていた淀川さんが編集長になられ、まさに当時のオリーブ少女たちがアラフォ~アラフィフにあたり、この新しいクウネルは、その彼女たちの「これから」のモデルを提示する雑誌になっているようです。

そのちょっと下の世代の私には、だから、まだピンとこなかったのですね。

今やweb上で、無料で大量の情報を手に入れることができるようになり、紙媒体の書籍や雑誌が苦戦を強いられていることは、周知の事実。
ご多分にもれず、私が購読していた当時から、クウネルも苦戦していただろうことは、想像に難くありません。

そんな中でも、アプリを使ったりしてweb上でも並行して発刊を続けている雑誌が多々ある中、なぜ、クウネルは以前の形をとれなくなってしまったのか?

雑誌は広告媒体でもある。読者が少なくとも、雑誌に十分な広告が入っていれば、その収入で雑誌を作っていくことも可能だろう。しかし、「旧クウネル」(リニューアル直前の2015年11月号)には、いわゆる大手の広告は掲載されていない。広告主の立場からすれば、伝統的なリトアニア特集といった誌面では、消費してもらうことが目的の広告と、あまりにベクトルが違いすぎる。その点、「新クウネル」(2016年3月号)には、(リニューアルでご祝儀的な出稿もあると思われるけれども)よく知られたメーカーやブランドの広告が並んでいた。編集方針の転換は、そうした台所事情もあったのではないかと推察できるのだ。

「クウネル」のリニューアルはなぜ必要で、何が必要だったのか? | Chika Igaya

ここに有力な答えがありました。
そうなんですよね。
旧クウネルの世界って、現代の消費社会と真逆の、丁寧で個性的で時間が積み重なった、世界でたったひとつ、みたいな世界だったし、私もそれが好きで、他の雑誌とは違う、と思って、わざわざ定期購読し、毎号宝物のように少しずつ読み進めていたのです。
でもそれが、出版不況時代においては、確かに致命的だったのかもしれませんね。

「消費しない美しさ」の記事を書きながら、「消費してもらう広告」を載せようなんて、パラドックス

 

この記事の続編は、こちらの記事です。

www.huffingtonpost.jp

 実は、先日、夫の実家で、夫の母が、例のリニューアル後の新クウネルと、旧クウネルの編集長だった岡戸さんがあたらしく立ち上げた「つるとはな」という雑誌、両方の実物を見せてくれたのです。

つるとはな第3号

つるとはな第3号

 

「つるとはな」、表紙を見ても分かるように、おばあちゃん。笑。
やっぱり対象年齢は私にはちょっと高めの様子。

でも、川上弘美の短編も載っているし、全体の雰囲気としては、旧クウネルのいいところをたくさん受け継いでいる気がしました。

  広告がこれだけってことは、「つるとはな」は1300円(税抜き)という価格から考えても、販売収入だけでやっていこうという感じがしますね。サイトを見ると、書店との取引について、「直接取引」「買取」とあります。確実に売っていこうという姿勢なのではないでしょうか。
「クウネル」「つるとはな」「暮しの手帖」を読み比べ 今、私たちが考える「雑誌の本懐」とは? | Chika Igaya)

 やっぱり、旧クウネル的な世界を大切にして、控えめな広告で採算をとろうとしたら、この価格帯と、直接取引なのかもしれませんね。


このあたりは、以前、『“ひとり出版社”という働きかた』という本を読んだとき、全国の書店に本を並べるために、仲介業者を経る段階で、ものすごくコストがかかったりロスがあることを知ったので、納得です。

『"ひとり出版社"という働きかた』についての記事は、こちらから(↓)

他にも、旧クウネル的な空気や価値感を持っている雑誌は、今でもいろいろあります。
どれもだいたいが季刊号だったり、ムック的な扱いなのも、そういう事情なのかもしれません。

 

今、旧クウネルが失われたから思います。
やっぱり、私にとって、クウネルの美しさは圧倒的だったのです。

そのバランス、美しい写真、地理的・時代的な縦横無尽さ、なのに見失うことのない価値感や品や奥ゆかしさみたいなものが、ものすごく面の多い多面体のように、全体を構築していました。

たとえばこの2014年3月号を例にとっても、

ちょうどこの特集の半年後に亡くなった、ヨーガンレールさんの海辺の拾いもので創るアートの、美しい表紙や写真から始まり、
もうもうと湯気を立てる長野の温泉に古くからある湯気の共同調理場の笑顔、
今度は時代をさかのぼって、児童文学作家の石井桃子さんのモノクロの昭和初期の写真とエピソード、
はっとするほど美しい自然を表した現代の写真家の切り絵や、
北の大地ニセコのクマと湧き水、
天然麹菌で今とても有名な、岡山のパン屋さん、タルマーリー、
etc。
それにいつもの江国香織姉妹の往復書簡、音楽、本、生活、高橋みどりさんの伝言レシピなどの料理、縫い物、
そして最後に、とっておきの、川上弘美さんの至極の短編。
最後の最後に、猫村さんで有名な、ほしよりこさんの繊細なタッチでクスリと笑わせるマンガが見開きで。

縦横無尽に揺すられて、美しさにはっとさせられ、やっぱり安心もして。
…カンペキです。

 

私はきっと、「かつてのオリーブ少女が」とくくられるように、「かつてのクウネル女子が」とくくられてもおかしくないぐらい、その美しさの世界と方法に、一度、芯から魅せられてしまった人種なのかもしれません。

実はそこに、私のブログ記事のタイトルが長い、つまり、ひと記事をひとつのトピックで終わらせたくない、多面的にひとつの記事を形作るからこその美しさを表現したい、という、無意識が働いている根源があるのかもしれませんが(という言い訳です)。

 

旧クウネルは失われてしまいましたが、私の中に残っているその残像が、何か、いつもの何気ない世界を美しく感じたり、切り取ったり、それらを構成する事で宝物を創造したり、長い人生の中で発酵・熟成して、私のなにか、を、紡いでいってくれるといいな、と思います。
・・・と、旧クウネルの編集、製作に携わったすべての方に、お伝えしたい気持ちです。

 

あの頃、仕事や、結婚したてで共働きの慣れない家事で疲れ果てていた私に、夜のひととき、果てしない冒険や幸せな気持ちをくれただけでなく。
クウネルのおかげで、私は、漆で器を修繕する「金継ぎ」について初めて知り、のちに実際、漆を手にするようになったり。
名前も知らなかった異国の地「バスク地方」に思いをはせていたら、のちに実際、夫と遠いその地へ足を踏み入れることができたり。
私の世界を広げてもらったことも、事実なのです。
やっぱり、かつてのクウネル女子として、ひとことお礼を言いたいと思います。
ありがとう!クウネル!

 

 

 

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id:sumahobonzinさん
ブクマありがとうございます!
何をおっしゃいます、sumahobonzinさんの実践、本よりも素晴らしいです☆
今後の展開も、楽しみにしています♪

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