大家さんのトマトと草取り。甘酢らっきょう最高!漬け汁を料理に。モロヘイヤ、摘心。ゴーヤチャンプルー、始めました!『パーマカルチャー』 読了!コーエン兄弟ファンの期待を裏切らない、映画『ヘイル・シーザー』。
大家さんのトマトと草取り。
真夏とすっかり同じ太陽が、草丈の短い田んぼの青い水鏡にギラギラと反射しています。
まだ梅雨明けではないので、梅雨の中休みということですが、昨日今日と、九州南部は真夏日が続いています。
まだ午前だというのに、三十代の私でさえ外に出るのに勇気がいるようなそんな今日、敷地でザク、ザク、という音。
また、お元気な大家さんが草取りをしていらっしゃいました。
「毎日暑いねぇ」
と言いながら、首の後ろまでカバーする花柄の農作業用の日よけ帽子をしっかりかぶって、70代の大家さんの手は休まりません。
冬や春の頃は、地面に低い台を置いて座り、キリみたいな道具を使って、雑草の根を掘り出しながら草取りをしていた大家さん。
下に車輪が付いていて、座ったまま移動できる、便利な草取りの台があります。(↓)
今日は、柄の長い、クワの先が小さくなったような農具を使って、立ったままザクザクと草の生えている地面を軽く掘り起こし、根から掘り出された草は拾うことなくそのまま、どんどん先へ。
あっという間に、敷地を掘り返してしまいました。
なるほど、夏のこの日射しだと、いちいち草を抜きだしたり拾ったりしなくても、根を掘り起こされて日射しにさらされたら、そのまま草は枯れてしまうのですね。
暑い中、無駄な労力は使う必要がない。
70年以上この土地に住み続けている、この土地の四季や草取りのプロでもある大家さんにとっては当たり前のことかもしれませんが、私なんかから見ると、すばらしい知恵。
さすがです!
ちょうど掃除したり洗濯物を干したりしていた私と、世間話。
といっても、大家さんの手はやっぱり休まることなく。
私はついついおしゃべりに夢中に。笑。
そこから、大家さんが終戦直前の1944年、昭和19年生まれだということも、今日知りました。
つまり、今年で、72歳になられるそうです。
朝ドラ「とと姉ちゃん」の舞台が、今ちょうど、終戦後の混乱期。
みんな、食べるものもお金もなく、生きることに必死だった時代、あのドラマの中で必死に働く女性たちの背中におぶわれている赤ちゃんが、今や大家さんぐらいのお年だということですね。
「ドラマはドラマだけど、実際はもっともっといろんなことがあって。田舎はある程度畑もあったけど、食べ物もお金もなくてね、だから、背が伸びなかったのかもね。」
一瞬くわを持つ手を休め、そう言って笑う大家さんの背筋はしゃきっと伸びています。
背丈は大きくなくても、大地にしっかり足をおろし、暑さもものともせず青空にスリムな体をすくっと背筋を伸ばし、この土地の事を何でも知っていて、全然誰かの犠牲になっている風でもないから文句ひとつなく、ただ自分の意志でキビキビ働く大家さんは、全然小さく見えないし、めちゃめちゃカッコイイ!!!
こんなにカッコイイ年の取り方、私たちもできるかな?と夫とよく話し合っています。
大家さん、30分ほど、我が家近くのあたりの敷地の(敷地内に他に4軒もあって、敷地全体は広い!のに、ひとりで草取りされています)草取りをされて、そろそろお昼の支度だから帰るというときに、少しだけど、と、畑で採れたという無農薬のきれいなトマトを持ってきてくださいました。
ヘタの反対側、おしりの所に白い星マークがあるのが、味が濃くておいしいトマトです。
本当においしいトマト、ピーマン、ナス、その他の見分け方が、写真付きで分かりやすく載っている本です。スーパーでも直売所でも、おいしい野菜の選び上手になれます。(↓)
- 作者: 徳岡邦夫,西村和雄,山口規子(写真)
- 出版社/メーカー: バジリコ
- 発売日: 2009/05/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 2人 クリック: 5回
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くっきりと星マークのある大家さんのトマト、100点満点ですね!
わぁ~うれしいです!と受け取ると、トマトの出来が良かったことが大家さんもうれしい様子で、
「この年になると、毎朝、今日は実がなってるかな、とか見るのが、やっぱり楽しみでね。」
と、謙遜気味におっしゃって、帰られました。
しばらく後、大家さんが掘り返したあとに、ミミズが迷い出てきていて、今は砂利敷きのこの敷地も、肥えたいい土なんだろうなぁと思いました。
甘酢らっきょう最高!漬け汁を料理に。
一カ月ほど前に塩で下漬けをし、甘酢での本漬けもしっかり終わったらっきょう。
塩で10日ほど下漬けをし、乳酸発酵させます。(↓)
その後、一度塩抜きをして、3週間ほど、甘酢につける本漬けをします。(↓)
本漬け1週間目ごろからちびちび食べてはきましたが、ちょうどいい味加減になってきたし、あまり長く漬け汁に漬けすぎると、今度はシャキシャキ感がなくなってしまうので、ここらで引き上げました。
去年かららっきょう用に使っている保存瓶(本当はもう1瓶で、合計2瓶)と、卓上用に野田琺瑯の小さなタッパー。
漬け汁から引きあげたら、冷蔵庫保存です。
保存瓶に移すとき、煮沸消毒の要らない、食品用アルコールの消毒剤、パストリーゼが便利です。(↓)
らっきょうは匂いがつきますが、保存瓶は、パッキンを交換、もしくは、らっきょう専用としてパッキンだけジップロックの袋に入れて別に保管しておくと、翌年も使えます。
野田琺瑯のタッパーの蓋も同じで、プラスチック製の蓋だけ別に備品として売っているので、これはらっきょう専用の蓋として、去年からジップロックの中に入れて保管しておいたものです。
野田琺瑯の小さなタッパー。(↓)
蓋だけ別売りしています。(↓)
漬けもの、キムチ、らっきょうなど、小さなトングを添えて食卓に出すようにしています。(↓)
昨日もとても暑かったのですが、さすがにバテ気味で帰ってきた夫が、夜ごはんに添えて出すと、一晩で4個もらっきょうをかじっていました。
シャキシャキの食感、甘酢、独特のにおいと風味、ほんとに夏の疲れに効く、らっきょうです。
疲れて帰ってきた夫がバリバリらっきょうをむさぼるのを見ると、漬けておいて本当によかったと思います。
私も、うだるような暑さの中、昼や夕方に家事をするときに一粒かじると、不思議と元気がわいてくるので、欠かせない存在です。
このままでは漬けた2kgも、8月にはなくなってしまいそうなので、 まだちょっと生のらっきょうが売っているのをみかけたので、明日はがんばって、第二弾の下漬けにトライしようと思います。
今年は漬け汁もとっておいて、少しずつ料理に使おうと思っています。
今朝は早速、夫のお弁当用に、ししとうとしそを豚肉で巻いたものを焼いたのですが、その味付けに、醤油と一緒に漬け汁も使ってみました。
よく、味ぽん炒め、とかあるように、ちょっとだけ甘酢やお酢を加えると、いつもの醤油味の炒めものが、さっぱりと仕上がったりします。
もちろんらっきょうの匂いがありますが、活かし方によっては酢のものなど和え物にも。
らっきょうと豚肉と漬け汁で炒飯をするとおいしいと聞いたので、今度使ってみようと思います。
モロヘイヤ、摘心。ゴーヤチャンプルー、始めました!
昨日、庭のモロヘイヤを摘心して、初収穫しました。
種から育てて、約一か月前に定植した、2本のモロヘイヤです。(↓)
だいぶ背が伸び、葉が多くなってきました。
モロヘイヤは、好みの高さになったら摘心し、あとは脇芽を増やしながら収穫していくようです。
昨日は、摘心した分をさっと湯通しして刻み、平切りのところてんに乗せて、頂きました。
つるりと冷た~い、ところてん。
ゴマとモロヘイヤを乗せ、ポン酢にしょうが汁を加えて、頂きました。
これがおいしいと感じるということは、本当に真夏みたいな一日だったということですね。
しかもメインのおかずは、今年初めての、ゴーヤチャンプルー!
我が家では、さっと湯通しして冷水でしめ、苦みを抑えたゴーヤを、沖縄の固い島豆腐のかわりに厚揚げ、そして豚肉と炒め、かつおぶしと薄口しょうゆ、塩だけでさっぱり味付けします。
汗をかいた日は、さっぱりした塩味もおいしく感じるし、なんといってもこの苦み!
たまらなくおいしいですね!
これにらっきょうですから、もう、100%夏の食卓でした。
今夜は、普通のお刺身よりずっと安くで買えるカツオのタタキをよく冷やしておいて、紫タマネギのスライスや庭のシソをたくさん乗せて、冷蔵庫に半分残しておいたパプリカでさっき仕込んでおいたナムル、それと、夏になると不足しがちな乾物をたっぷり入れた、干し大根の炒め煮(余りはお弁当用の自家製冷凍食品に)、かぼちゃのお味噌汁、それにもちろん、らっきょう!です。
パプリカのナムルの作り方は、こちらから(↓)
干し大根の炒め煮の作り方は、こちらから(↓)
『パーマカルチャー』 読了!
週末で、やっと、パーマカルチャーの教科書的な一冊、読み終わりました!
- 作者: ビルモリソン,レニー・ミアスレイ,Bill Mollison,Reny Mia Slay,田口恒夫,小祝慶子
- 出版社/メーカー: 農山漁村文化協会
- 発売日: 1993/09
- メディア: 大型本
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市町村合併のおかげで、蔵書にそれぞれ特徴のある小さな町の3つの図書館のどこでも本が借りられ、近所の図書館に取り寄せたりしてもらえる、とても便利な田舎の図書館のおかげで、予約がなかったので何カ月も貸し出し延長してもらって、やっと、読み終わりました。
文学作品とは違って、様々な気候や地形などにおける、農業や暮らしや生活を立てる知恵がつめこまれた本です。
ちびちびと、私の中に知恵を貯め込んでいくようなつもりで読みました。
もともとがオーストラリアの本なので、たとえば乾燥地帯でくぼみを作り、そこに堆積物やマルチを投げ込んだり、囲いをした幼木を植えたりして、どうやって作物を育てていくのか、家畜と植物の利用のし合いの方法はとか、熱帯地方で家の通気や調温のために、どのような家づくりや植物の種類や這わせ方をしたらいいのかとか、温帯ではやっぱり、我が日本の誇り、福岡正信さんの『わら一本の革命』の不耕起栽培が中に出てきます。
様々な有用な植物のちょっとした辞典もついていて、ナッツ類だとか、温帯の日本では実際見たことがない植物の生態も知れて、おもしろいです。
畑も土地もない我が家ですぐに実践するものではありませんが、一生の暮らし方、植物との関わり方に、基本のところで効いてくる知識をたくさん得られたと思います。
次はまた、ちょっと遠い隣の町の図書館から、2冊の本を取り寄せ、借りてきます。
コーエン兄弟ファンの期待を裏切らない、映画『ヘイル、シーザー』。
土曜の夜は、久々に夫と一緒に、街へレイトショーの映画を見に行きました。
土曜の夜だというのに、広い上映室に、たった10人ほどの観客。
ということはつまり、よほど好きな人しか見に来ていないということで、みなさん、ことりとも音を立てず、エンドロールの最後まで、とてもマナーのいいオーディエンスでした。
もともとは、夫から教えてもらった、映画監督、コーエン兄弟の作品。
一部ではカルト映画、と言われるような、万人受けする作品ではありませんが、ハマってしまうと、今や公開が待ちきれなくなるほど、大好きになってしまいました。
夫も私も、しんとしたその映画館で、スタンディングオベーションしたいほど、大満足!
帰りの車の中でも、ずっとしゃべっているほど、大盛り上がり。
キリスト教やユダヤ教の牧師たちの神についての談義から、共産主義からロッキード社まで、アイロニー(皮肉)のすばらしき交錯。
で、こんだけ大騒ぎして、結局何だったの?という徒労感からくるどうしようもない可笑しさ。
どこかヘンなキャラクター各々の見ている世界の偏屈さやおかしさ。
なぜか美人さんが美人さんとして描かれることが少なく、どこかおかしい描かれ方をするところとか。(スカーレット・ヨハンソンですら!)
でもなんか、人間が愛しくなったり、1950年代のハリウッドの青い空がやけにきれいに心に残ったり。
良くも悪くも(?)、コーエン兄弟ファンを裏切らない作品で、最高でした。
フライヤーにもオフィシャルサイトにも、「ゴージャスな大捜査」とか、みんなが協力して、とかありますが、ぜんぜん、そういう映画ではありません。
・・・なんと、実は、フライヤーもウソばっかり!
ここ日本においても、広告代理店やメディアが適当にウソばっかり、平然として載せてる、っていうのも、壮大な皮肉の一部な気がして、またまたニヤリとしてしまうのです。
ジョージ・クルーニーは、コーエン兄弟の映画では、ほんとにお調子者でおマヌケでテキトーなイケメン、という、超笑えるキャラです。
オーブラザーの囚人でもそうだったし、
ディボース・ショウでは、ひたすらそれだけを描いたといっても過言じゃないし、
ブラピとかも出てるこの作品では、本当におマヌケで。
今回も、そうです。
1950年代の実力派の俳優の役ですが、誘拐されるほどマヌケで、すぐにコロっと信じ込まされて、ビンタされて、セリフも、忘れる。笑。
でも、それがまさに、コーエン兄弟の作品の中での、ジョージクルーニーの健在さを表していて。
そのせいか、他の映画で、ジョージクルーニーがシブいマジメなイケメンの役をしていても、プっと吹きだしてしまうクセがついてしまいました。
もちろん、大好きです。
そんな彼がコーエン兄弟の映画でそんな役どころを演じる時、どこかイキイキとして見えたりもして。
彼の今回の役の俳優が、映画の中の映画において演じるのは、ローマ帝国の、ジュリアス・シーザー。
『ベン・ハー』へのオマージュ的なシーンがいくつもあります。
でも、『ベン・ハー』の主役は、ユダヤ教徒であるベン・ハー。
ベン・ハーが様々なシーンでイエスキリストに遭遇して影響を受けるのですが、それを、なぜか彼の演じるシーザーが、イエスに遭遇し、影響を受ける感じです。
これもシニカルですが…ちょっとややこしい???
ずっと前の作品、バートン・フィンクに出てくる、太っちょの主役のおじさんが、しっかり酒場のオヤジとして出てるのを発見するとうれしくて!
マットデイモンや、ビッグリボウスキのデュードことジェフブリッジスが出演している、スピルバーグとタッグを組んだ作品、「トゥルー・グリッド」の時は、 デジタル撮影をしていたようですが、
今回は1950年代のアメリカ、ということで、あえてフィルム撮影にした、という、フィルムならではのいい雰囲気がよく出ているし、兄のジョエル・コーエンの妻である、フランシス・マクドーマンドもフィルム編集室の怪しい女性編集者で出演していたり。
やっぱ、フィルムが好きなんですね!
フランシスマクドーマンドが演じた妊婦の刑事は、とてもキュートでした!(↓)
アカデミー賞受賞もし、大ヒットした、 ハビエル・バルデムの異常に怖いおかっぱ頭が忘れられない、『ノー・カントリー』で、
そのハビエル・バルデム演じる冷血な殺し屋シガーから逃走するモス役だった、ジョシュ・ブローリンが、今回の『ヘイル・シーザー』の、実質的な主役で、実在の当時のハリウッドのスターたちのゴシップをもみけす天才プロデューサーみたいな人がモデルなんだそうです。
バカバカしい問題が、山積!
それをさばいていく、ジョシュ・ブローリンの視点が、映画自体の視点になっています。
ってつまり、まるでジョージ・クルーニーが主演のように書いているフライヤーとオフィシャルサイト、ほんとにウソばっか。笑。
『ノー・カントリー』の時の
"What's in the satchel?" (そのバッグには何が入ってるの?)
"Full of money" (たくさんのお金さ)
という会話を思い出しても怖くなるのに、
今回の『ヘイル・シーザー』の大金の入ったバッグは、あろうことかカウボーイのダサいベルトで巻かれて、結局…。
なんて、そんな オマージュというか皮肉さえもうれしくなって。
もし、ビッグリボウスキのバカバカしくもヘンタイな世界が好きでたまらないなら、
ヘイルシーザーの中に出てくるシンクロナイズドスイミングのヘンな演出がツボるはずです。
ということで、それでも全作品を挙げることはできませんでしたが、コーエン兄弟には、これからも、独特の作品を作り続けていってほしいと思います!
と、日本の田舎からありったけの愛をこめて叫ぶとします。
<はてなブックマークへの返信>
ブクマ、ありがとうございます!
らっきょう、こちらでは1kg580円ぐらいでした。
漬けものに加工されて売っているものは、10粒そこらで198円とかするので、たっぷり食べようと思うと、自分で漬けた方がお得だし、おいしいですよ♪