kurashito~暮らしと

暮らしが幸せになるためのことを、日々追究しています。

田舎のバスと、100%せいろ蕎麦日和 。お彼岸。和菓子屋さんの店先で、「菜の花」と「千本桜」 。

100%せいろ蕎麦日和

田舎のバスと、100%せいろ蕎麦日和 。お彼岸。

お彼岸ということで、土曜日は夫と、夫の家の納骨堂へ行ってきました。
いつもとちょっと違って、用事の夫が先に車で出るのをまず見送り、棕櫚の箒で思いっきり部屋を浄化し、青い空いっぱいにお洗濯を干したり、気のすむまで家事をしてから、私はバスで追いかけてみました。

電車すら通っていないこの小さな町へ引っ越して初めての、バス。
坂の向こうから、重そうなバスがゆらゆらと揺れながらこちらへ向かってきます。
ドアがプーと開いて、整理券をとって。
左後ろの座席にどさっと腰をおろしてみわたしてみると、田舎だけにゆったりとした車内で、実はぜんぜん重くないはずのバスなのでした。

それから1時間以上揺られて、峠を下り、街中へ。
いつも自分が運転する軽自動車とは違って、重くないはずだけどやっぱり重いギアをよいしょ、よいしょ、とかえながら、ゆっくりゆっくりと、峠をおりて行くのでした。

高い座席から、いつもと違う、いろんな景色が見えました。
遠くには、深い緑の中にちらほら際立つ、桃色の山桜。
道端には、極楽浄土みたいな菜の花の群生。
えっちらおっちら、やっとバスが峠を越えると、もうあたりは真四角のピカピカな住宅が隙間なくひしめき合う、街。
1年ちょっと前まで、こちらの住人だったことに、びっくりしてしまいます。

バス通学以来の、懐かしい時間でした。
同時に、時間にも縛られず他人に気も使わない自家用軽自動車の快適さにも改めて気付き、ありがたいことだと思いました。

 

街で夫と合流して、ひとしきりバスの興奮を伝えて笑われつつ、まずは納骨堂へ。
連休の中日、雲ひとつない空から、車内には痛いぐらいの九州南部の太陽が降り注ぎます。
トランクから、今年初めて車の日よけのバイザーを取り出しました。

いつもよりお供えの賑やかな納骨堂のひんやりとした空気は、日射しに焼けた肌を冷ましてくれるよう。
最近ずっと忙しくて、久しぶりのお参りだった夫も、長く手を合わせていました。
私は、結婚当初にひと目だけお会いしたおばあさんのお顔が浮かび、夫は、夫によく似ている、小学生の頃亡くなったおじいさんのお顔が浮かび、いろいろと報告をしたんだそう。
ご先祖さまと繋がりやすくなるといわれているお彼岸、日頃はほとんど無宗教ですが、たくさんの方たちの命がつながって、今ここに生かせて頂いていることを感じました。

 

納骨堂を出て、お昼。
あまりの日射しの強さに、ラーメンでもカレーでもトンカツでもなく、夫の提案で、お蕎麦を食べに行くことにしました。
もう間違いなく、100%せいろ蕎麦日和な日です!

街中に住んでいた頃、たまに行っていた、一本入った筋のお蕎麦屋さん。
今住んでいる田舎の町では、サバの出汁を甘く仕上げたおつゆで、つなぎを入れずに蕎麦そのものの素朴な味を味わう、ブツブツ切れる十割そばが主流です。
それも街から引っ越してきた私たちには新鮮で何度も食べに行きましたが、久しぶりの、細くてコシのある、すっきりとした「街のお蕎麦」です。

100%せいろ蕎麦日和!と思ったのはどうやら私たちだけでなかったらしく、あまり大きくない蕎麦屋の前には駐車場に停めきれない車が列をなして待っている状態。

一番上の写真、せいろ御前。
せいろ一枚に天ぷら、豆腐、おにぎり、おしんこまでついて、1000円の定番ランチです。
いやー最高でした!

まず、きゅっとしまった蕎麦だけをつゆをつけずに啜ると、蕎麦の香りがふわ~っとひろがります。涼しい!
大根おろしとネギとわさびを溶かしたつゆにつけてすすると、またたまりません。
夫は200円でせいろを大盛りに。

最後は、蕎麦湯でシメです。

蕎麦湯

やっぱり日射しが強いとはいえ、まだ3月。
せいろ蕎麦できんと冷えた後は、とろりとした蕎麦湯をおつゆにいれて、お腹をあっためたくなりました。

ほんとに100%せいろ蕎麦日和。
最高でした!

 

 

和菓子屋さんの店先で、「菜の花」と「千本桜」 。

その後、その流れで行くと和のデザートが食べたいなぁ、ということで、今度は私の提案。

老舗の和菓子屋さんで、お茶はセルフサービスなのですが、買ったケーキや和菓子を、そのままお店の喫茶席で頂くことができるのです。

和菓子屋さんの店先で

あぁ、いつみても美しい、和菓子。

私は、道すがら道端で満開だった「菜の花」という生菓子。
夫は、ちょっと早めの「千本桜」という、満開の桜の生菓子。
「こちらで頂いてもいいですか?」というと、たった生菓子2つなのですが、きちんとようじと一緒にお皿に盛ってくださいました。

セルフドリンクはエスプレッソか紅茶だったので、ティーバッグのアールグレイを頂きました。

Janat アールグレイ ティーバッグ 2g×50p

Janat アールグレイ ティーバッグ 2g×50p

 

ストレートだと、和菓子とも、意外と合う!
夫も紅茶をおかわりしつつ、季節感とあんこの旨みを堪能していました。

お店は幹線道路沿いですが、道路との間に小さな池がしつらえてあって、ちょうど午後の日差しが水面に反射して喫茶室の天井にたゆたい、薄緑色の若葉たちがまぶしい太陽に透けて風に揺れる姿は涼しげで、なんとも気持ちのやすらぐ時間でした。

1000円の香りのいいせいろ蕎麦御膳に、和菓子代だけでデザートまでつけることができて、なんとも満足な和の午後でした。
感謝です。

 

朝、バス停にはテントウムシさんが。

テントウムシ

なかなかにすばしっこくて、それだけ温かくなってきたんだなぁと思いつつ。

それでもまだ朝晩は冷えるので、体調管理が大事ですね。